楽天カードは楽天市場や楽天ブックス、楽天koboでの買い物はもちろん、楽天証券での投資信託購入や楽天ふるさと納税における寄付にも利用できる。
利便性においては楽天ポイントを介した性質も多い。楽天カードの請求額支払は現金だけでなく、楽天ポイントでも行える。したがって、楽天ポイントには実質、クレジットカードの利用できる場所ならどこでも使えるといった性質を付与できる。また、カード支払額の1%還元だけでなく、SPU(スーパーポイントアッププログラム)やキャンペーンにおいて楽天ポイントの還元を増やせる。楽天以外での買い物も常時2%還元にできるため、街での利用にもおすすめのカードになっている。
他にも海外旅行保険が付帯したり、年会費のかかるゴールドカード、プレミアムカードでは空港ラウンジのサービスも利用できる。
年会費無料の楽天カードは作成して損はない。逆に、カードの利用が停止された時に生じる損失は大きくなる。
また、年収が低い人でもショッピング枠を100万円程度にまで簡単に増やせてしまう。支払はリボ払いにできるため、ついつい使い過ぎてしまうリスクがある。
これらはデメリットとして、楽天カードを利用する前に頭へ入れておいた方が良いだろう。
この記事では
▶ 楽天カードのメリット
として他のクレジットカードには無い多様な支払利用や請求額の支払方法、数々の還元、海外旅行時に利用できるサービスなどを紹介し
▶ 楽天カードのデメリット
について、利用停止のリスクからリボ払いを中心に、カードが使えなくなってからの代替手段についてまで詳しく述べていきたいと思う。
楽天カードのメリット
楽天カードは一見すると、決済額1%が還元されるだけの他と変わりないクレジットカードに見える。しかし、楽天カードには、他のクレジットカードにはない
1.多様な支払利用
2.請求代金のポイントによる支払
3.数々の還元
といった特徴がある。
また、
4.海外旅行関連サービス
も充実している。
消費者側からすると、これらは利用するメリットの多い特徴になっている。
>>> 【楽天カード】新規入会で楽天ポイントがもらえる入会ページ
下記でそれぞれ詳しく紹介していきたいと思う。
1.多様な支払利用
楽天カードは楽天のサービスを通し、ショッピングなど単純な決済以外にも利用できる。電気代や携帯代金、保険代を支払えるのはもちろん、寄付や投資信託の購入もできる。
寄付自体は他のクレジットカードでも可能である。しかし、楽天ふるさと納税において、楽天カードを使うと、寄付金の10%還元も容易になっている。

ふるさと納税ではAmazonギフト券など現金に近い返礼品が禁止されてしまった。したがって、楽天ふるさと納税が汎用性の高いポイントを高還元で付与する唯一の手段になっている。ふるさと納税の限度額が多い人ほど、楽天ふるさと納税の利用は積極的に検討すべきだ。
2.楽天カードの請求額を楽天ポイントで支払える
楽天カードは請求額を楽天ポイントで支払える。これは楽天ポイントが現金の代わりになるのはもちろん、クレジットカードを通して決済できるものは全て楽天ポイントでも支払えることを意味する。
また、楽天カードを通して楽天ポイントを利用することにより、楽天カードの還元も得られる。この使い方では1ポイントが1円以上の価値を持つ。
たとえば、楽天証券では現金以外にも、楽天カードおよび楽天の通常ポイントで投資信託の購入ができる。つまり、投資信託を下記3通りの方法で購入できる。
①現金で投資信託の購入
②楽天ポイントで投資信託の購入
③楽天カードで投資信託の購入⇒楽天カード請求分を楽天ポイントで支払い
①は現金と投資信託の交換になる。②と③の場合はともに楽天ポイントと投資信託が交換された形になる。ただ、③のようにカードで投資信託を購入した後、楽天カード請求分をポイントで支払えば、投資信託だけでなく1%の還元を受けれる。
1万円分の投資信託を購入したケースで考えると
①1万円減って、1万円分の投資信託が残る
②1万ポイントが減って、1万円分の投資信託が残る
③1万ポイントが減って、1万円分の投資信託が残り、楽天ポイント100ポイントが還元される
楽天ポイントを使うなら、上記の③を選択した方が、楽天カードの1%還元を受けれるため②よりも価値を高める使い方になる。
投資信託に限らず、楽天カードで決済し、カード請求額の支払に楽天ポイントを利用すれば1ポイント1円以上、正確には1ポイント=1.01円の価値にできることを意味する。楽天カード保有者なら、楽天ポイントはこちらでの利用を優先した方が良いだろう。
ポイントの利用上限は楽天会員ランクが「ダイヤモンド会員」か「ダイヤモンド会員以外」かで別れている。ダイヤモンド会員は1ヶ月50万ポイント(50万円分)まで、ポイントでカード代金の支払いができる。
3.数々の還元
楽天カードは1%の通常還元に加えて、様々な還元を追加で受けれる。主な還元制度として「SPU(スーパーポイントアッププログラム)」と「キャンペーン」がある。
SPU(スーパーポイントアッププログラム)
楽天のSPUとは楽天のサービス加入や利用を条件に、
1.楽天市場
2.楽天ブックス
3.楽天kobo
4.楽天ふるさと納税
5.Rakuten Fashion
6.楽天海外販売
などにおける消費の還元率が最大16%にまで上がるプログラムである。この16%のうち6%は楽天カードによる還元率アップの制度である。
楽天カード関連のSPU。合計で+6%還元(event.rakuten.co.jpより)。
1.楽天カード、楽天ゴールドカードもしくはプレミアムカード
2.楽天銀行口座からの楽天カード代金引き落とし
3.楽天の保険の支払元に使う
などの条件で楽天市場などにおける買い物や寄付が+6%還元になる。
楽天カードの還元率アップを含むSPUについてさらに詳しく知りたい人は下記記事を参考に。

キャンペーン
楽天における還元率を増やせる定期開催のキャンペーンとして「毎月5と0のつく日」キャンペーンがある。こちらのキャンペーンでは毎月5と0がつく日、具体的には5日、10日、15日、20日、25日、30日の0時00分から23時59分まで、楽天における楽天カード決済のポイント還元が+2%になる。SPUの最大+6%にさらに2%を加えられるのだ。
また、楽天ではほぼ毎月「街での楽天カードの月額利用分がポイント2倍」キャンペーンが行われている。こちらのキャンペーンでは楽天で楽天カードを合計2万円以上(達成金額は月によって異なる)利用すると、楽天「以外」の決済も+1%還元を増やせる。通常の1%還元にプラスして1%還元を増やせるため、合計で2%還元になるのだ。2%還元のクレジットカードはほとんど無いため、こちらも楽天カードを利用すべき大きなメリットとなるだろう。
キャンペーンによる還元を増やすにはエントリーのほかにも、条件達成が必要になる。楽天カード保有者はもちろん、楽天カード保有者でなくても参加できるキャンペーンやエントリーページについてまとめて知りたい人は下記記事を参考に。

4.海外旅行関連サービス
楽天カード、楽天ゴールドカードには海外旅行保険が利用付帯で付いてくる。利用付帯では下記のような条件を満たした場合にのみ保険が適用される。
①日本を出国する以前に
②公共交通乗用具(航空機、電車、船舶、バス、タクシーなど)または募集型企画旅行の料金を支払った場合で
③日本を出発してから3ヶ月後の午後12時までの旅行期間楽天カードの付帯条件より
利用付帯に対し、カードを持っている(発行している)だけで海外旅行保険の適用を受けれるのが自動付帯である。楽天カードのうち、楽天プレミアムカード、楽天ブラックカードは海外旅行保険が自動付帯になっている。
実際に利用時の手続でも自動付帯は楽である。海外旅行の際には、なるべく海外旅行保険が自動付帯されているクレジットカードを持参すべきだ。
また、海外旅行保険以外にも楽天ゴールドカードにはトラベルデスク(ツアーの予約や緊急時の案内を受けれる)、空港ラウンジのサービスが利用できる。
楽天プレミアムカード、楽天ブラックカードにはトラベルデスク、空港ラウンジ、プライオリティパス、手荷物宅配サービスの利用ができる。
楽天カードで受けれる海外旅行関連のサービスについて詳しく知りたい人は下記記事を参考に。

楽天カードのデメリット
楽天カードは年会費無料と年会費のかかるのタイプに分かれている。年会費無料の楽天カードなら作成によるデメリットは無い。メリットしかないカードなので、逆に、カードの利用が停止された時に生じる損失は大きくなる。
楽天ゴールドカードや楽天プレミアムカードは年会費がかかる。この年会費以上の利益を得られないなら、年会費のかからない楽天カードで十分である。
楽天カードは他のクレジットカードよりも新規入会時の審査を甘くしている。これがフリーターや無職、学生、主婦でも作成できる理由になる。他のクレジットカードで審査が通らなかった人も楽天カードへの申込みは挑戦してみるべきだ。
>>> 【楽天カード】新規入会で楽天ポイントがもらえる入会ページ
ただ、収入が無い人、年収が低い人でも作成できてしまう点ではリスクを伴うだろう。たとえば、ショッピング枠も100万円程度にまでは簡単に増やせる。支払はリボ払いにできるため、短期での返済が難しい額まで使い過ぎてしまう(もちろん、これは楽天カードに限らない)。
これらはデメリットとして、楽天カードを利用する前に頭へ入れておいた方が良いだろう。特に、楽天カードの利用停止は支払いの延滞時だけでなく、増枠の申請時にも発生している点は頭へ入れておくべきだ。
また、年会費のかかる楽天ゴールドカード、楽天プレミアムカードで年会費以上のメリットを得る条件、楽天カードが利用停止された時の代替手段として楽天銀行デビットカードについても下記で紹介していく。
楽天カードの利用停止リスクが生じる時
キャッシングを含むカード請求額の支払が遅延していたり、滞納が続くとカードは利用停止になってしまう。一度利用停止になれば利用再開に再審査が必要になる。この再審査では新規入会時よりも厳しく審査される。
また、楽天カードは新規入会時の審査を甘くする代わりに、入会後、利用限度額、キャッシング枠の審査時には入会時よりも厳しく審査されるようになっている。この審査では増枠が認められないどころか、強制退会(カードの利用停止)になってしまうこともある。この場合の利用停止はリボ残高やキャッシングを含む支払で延滞(滞納)があったり、他社のクレジットカードを含めた利用履歴、借入残高にもよる。支払が遅延している状態ではショッピング、キャッシング枠の増やす申請をしない方が良いだろう。
楽天カードが利用停止になっても、しばらく期間をおいてから申し込むことで再び審査に通ることは多々ある。ただ、楽天への支払が残っていなくとも、申し込みはしばらく期間をおいてから行うべきだ。再度の申し込みは利用停止になり、楽天への債務を全額返済してから2年以上が目安となる。
年会費以上のメリットが得られる条件
楽天ゴールドカードや楽天プレミアムカードは年会費がかかる。この年会費以上の利益を得られないなら、年会費のかからない楽天カードで十分である。
楽天ゴールドカードは年会費が2200円になる。年会費無料の楽天カードより、楽天における還元が2%多くなる(合計4%。通常還元とプラスして5%還元)。つまり、2200円分の還元を2%で得られる11万円以上の消費を年間で行うなら、楽天カードよりも利益が大きくなる。
楽天プレミアムカードは年会費が1万1000円になる。楽天ゴールドカードと同様に、年会費無料の楽天カードより、楽天における還元が2%多くなる(合計4%。通常還元とプラスして5%還元)。つまり、1万1000円分の還元を2%で得られる55万円の消費を年間で行うなら、楽天カードよりも利益が大きくなる。
年会費 | 楽天のみで年会費以上のメリットを得られる消費額 | |
---|---|---|
楽天ゴールドカード | 2200円(税込) | 年間11万円 |
楽天プレミアムカード | 1万1000円(税込) | 年間55万円(楽天市場コースの特定日で買い物をするなら年間36.7万円) |
年間11万円なら毎月9200円程度になる。この額の消費なら難しくないだろう。国内利用が主なら、楽天プレミアムカードの年会費を払うのは無駄になってしまう。国内なら楽天ゴールドカードで十分である。
ただし、楽天プレミアムカードは楽天ゴールドカードにはない特典がいくつもある。まず、楽天プレミアムカードは「楽天市場コース」「トラベルコース」「エンタメコース」の3つから選べる獲得ポイントアップサービスも付いてくる。楽天市場コース特典として、毎週火曜日・木曜日の楽天市場での楽天プレミアムカードの還元が1%加算される。つまり、合計5%。通常還元とプラスして6%還元にまで増やせる。
また、上でも紹介したように、楽天プレミアムカードでは海外旅行関連の様々なサービスを受けれる。海外旅行保険が自動付帯している上、世界中の空港ラウンジを追加料金無しで利用できる。
年に1度でも海外へ旅行するなら、楽天プレミアムカードは楽天カード、楽天ゴールドカードよりもコスパの良いカードになるだろう。楽天プレミアムカードにおける優位性についてわかりやすく把握したい人は下記記事を参考に。
楽天カードの代替手段
楽天カードの利用が停止されるとSPUやキャンペーンによる還元を受けれなくなる。海外旅行保険を失うのも、旅行で利用していた人には大きな損失になるだろう。
ただ、1%の還元や請求代金のポイントによる支払は楽天銀行デビットカードで代替できる。
楽天銀行デビットカードはデビットカードの中でも高水準の1%還元を得られる。また、デビットカードはクレジットカード決済とほぼ同じ様に利用できる。クレジットカード決済が必須になっている楽天モバイルや楽天でんきの支払にも利用できる。くわえて、支払元には現金だけでなく、楽天ポイントの利用もできる。銀行口座の現金ではなく、楽天ポイントが1ポイント=1円としてデビット決済の支払元に利用できるのだ。
たしかに、多くの還元や一部サービスを受けられなくなる。しかし、、クレジットカードの代わりとして楽天銀行デビットカードは優先順位がもっとも高いデビットカードになるだろう。