楽天ポイント(正式名称:楽天スーパーポイント)を「直接」現金へ変える方法は無い。ただ、楽天ポイントから「別のものを経由して」現金へと変える方法はいくつかある。
楽天サービス内での楽天ポイント現金化としては楽天証券を使う手段がある。楽天ポイントで国内株式および投資信託を購入すれば売却によって現金化できる。国内株式、投資信託を通しての現金化では1ポイント1円に近い形で現金化できる。
もう1つの手段として、ラクマ、楽天市場での楽天ポイントによる「金券」購入からフリマ、オークションサイト、金券ショップ等での売却による現金化がある。楽天証券では期間限定ポイントを利用できない。期間限定ポイントを現金化したい場合は金券の売買を選択することになるだろう。
この記事では
▶ 楽天証券における国内株式および投資信託の購入を通したポイント現金化
▶ 金券の購入・売却を通した楽天ポイント現金化
から
▶ 楽天ポイント現金化の必要性
についてまで詳しく述べていきたいと思う。
楽天証券における国内株式および投資信託の購入を通したポイント現金化
楽天ポイントを直接現金へ変えることはできない。しかし、楽天証券では国内株式および投資信託を楽天ポイントで購入できる。購入後、これを売却すれば間接的に現金化できる。
楽天ポイントで国内株式と投資信託を買えるのは楽天証券のみになる。楽天証券に口座を持っていない人は開設から行わなければならない。
楽天証券からは楽天銀行以外の銀行へも出金はできる。しかし、1日でも早く楽天証券から銀行口座へ出金したい人は楽天銀行口座も用意しておくべきだ。
また、国内株式、投資信託を通した楽天ポイントの現金化を検討する前に、楽天ポイント利用時の「制限」、購入・売却し現金として受け取るまでに必要な日数は確認しておいた方が良いだろう。
楽天証券を通した楽天ポイント現金化の流れ
楽天証券に口座を開設し、「ログインID」「パスワード」を入れてログインする。ログインしたら画面上部にある「設定・変更」>「ポイント設定・SPU」へ入る。
楽天証券におけるポイント利用設定。上記で国内株式、投資信託が「利用する」の状態になっていないと国内株式および投資信託を楽天ポイントの購入に利用できない。
国内株式のポイント利用設定変更画面。毎月利用するポイントの上限を設定できる。すべての利用可能なポイントを利用することもできる。
ポイントの利用設定をしたら「国内株式」もしくは「投信」の購入をする。
国内株式の購入で楽天ポイントを現金化する方法
国内株式なら、どこの会社でもポイントの利用ができる。購入したい株式をトップページの検索ボックスなどで検索しよう。楽天の株式なら「楽天」もしくは「4755」で検索すればヒットする。
楽天証券トップページ上部にある検索ボックスへ「楽天」と入力すると、一番下に楽天株式が表示される。
銘柄名をクリックすると注文画面に入るので、価格の右にある現物買いをクリックする。
国内株式の購入を通した楽天ポイントの現金化でかかる手数料は株式、手数料のみである。いちにち定額コースで1日の取引金額合計が50万円以下なら手数料は無料である(2020年9月現在)。
ポイントを使った国内株式の現物買いでは買付分+手数料の「現金」も必要になる。株価が1株900円なら、これの100株で9万円の現金と手数料分は入金しておかなければならない。成り行き注文ではストップ制限値幅の上限値になるため、さらなる現金が必要になる。
口座に購入できるだけの現金が無ければ、ポイントを保有していても株式の購入はできない。楽天ポイントを使った株式の購入ではまず現金で購入金額、手数料を負担する。株の受渡日にポイントが充当され、その分の現金が購買余力へと反映される。つまり、株の受渡日にポイントが現金と株式へ変わる。
国内株式の買付に楽天ポイントを利用した場合の流れ(ポイント投資(国内株式)より)。「現金⇒株式⇒ポイントと現金を交換」という流れになる。
受取日以降、株式を売却すればすべて現金の状態にできる。受取日にポイントが交換されるため、即日の現金化はできない。
投資信託の購入で楽天ポイントを現金化する方法
投資信託を購入する場合も、現金化が目的なら購入するファンドは何でも良い。ただし、取引手数料は無料、信託報酬のみのファンドが良いだろう。手数料が信託報酬のみで、かつ人気の投資信託としては「楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天バンガードファンド)」などが有名だ。
楽天証券のトップ上部にある検索ボックスで投資信託の名前を入れ、「投信」のタブを選択して検索をかける。
楽天証券のトップページ上部にある検索ボックス。購入したい投資信託を検索する。
検索結果に表示された投資信託を選択すると目論見書の閲覧を要求されるのでOKを押す。書面を読み、同意にチェックを入れて完了する。すると、下記のような注文画面に移る。
投資信託の通常注文画面。ここで楽天ポイントをいくら使うかの選択ができる。
国内株式とは違い、投資信託は現金を使わずに、楽天ポイントだけで購入できる。「ポイント⇒投資信託⇒現金」の流れになる。100ポイント(100円分)以上で投資信託を購入でき、投資信託を売却すれば現金になる。
100円から購入できる点、現金を用意しなくても良い点で、国内株式よりも現金化がしやすくなっている。ただし、下記でも紹介するように、投資信託は現金化までに時間がかかる。株式と同様に、即日の現金化は当然できない。
楽天ポイント利用時の制限
国内株式、投資信託を通した現金化では「利用不可のポイントもある」「ポイント利用限度額がある」点も頭へ入れておいた方が良いだろう。
国内株式および投資信託の購入では楽天の通常ポイントしか利用できない。利用不可の楽天ポイントは下記のようなポイントになる。
①有効期限切れのポイント
②期間限定ポイント(SPUやキャンペーンで獲得した楽天スーパーポイント含む)
③他ポイントから交換した楽天スーパーポイント(楽天証券ポイントコースのポイントを手動で交換された分を含む)
④2017年9月22日以前に楽天スーパーポイントコースにて交換した楽天スーパーポイント(資産形成ポイント、楽天証券の各種キャンペーンのポイント含む)
有効期限切れのポイントが使えないのはもちろんのこと、期間限定ポイント、他のポイントから楽天ポイントへ交換した分も国内株式、投資信託購入では利用できない。期間限定ポイントには楽天ポイントギフトカードから得たポイントも含まれる。
次に、ポイント利用限度額について、ポイントによる国内株式、投資信託の購入はダイヤモンド会員とそれ以外で違いがある。
<楽天スーパーポイントの利用可能上限>
■ダイヤモンド会員以外のお客様
通常注文の場合:30,000ポイント/1注文
積立注文(証券口座引落)の場合:30,000ポイント/1日
積立注文(楽天カードクレジット決済)の場合:30,000ポイント/1日100,000ポイント/1ヶ月
■ダイヤモンド会員のお客様
通常注文の場合:500,000ポイント/1注文
積立注文(証券口座引落)の場合:500,000ポイント/1日
積立注文(楽天カードクレジット決済)の場合:500,000ポイント/1日500,000ポイント/1ヶ月
つまり、ダイヤモンド会員以外は1ヶ月10万円分、ダイヤモンド会員は1ヶ月50万円までしかポイントによる国内株式、投資信託の購入はできない。
また、1ヶ月の利用上限は他の楽天グループでの総利用量になる。たとえば、1ヶ月50万ポイントの上限で、今月30万ポイントを楽天市場で利用している場合、20万ポイントしか投資へ利用できない。
楽天証券を通した現金化で、現金を受け取るまでに必要な日数
楽天証券の国内株式は約定日から起算して3営業日目に、夜間取引は4営業日目が受取日となる(2019年5月からの受取日)。受取日に株式を売却し、楽天銀行と楽天証券を連携させていれば(マネーブリッジを利用していれば)、原則として当日中に楽天銀行の普通預金口座へ現金の振り込みができる(らくらく出金より)。
楽天証券と楽天銀行に口座を開設していれば、楽天ポイントで国内株式を購入してから早くて3営業日後に銀行口座へと着金ができるのだ。
投資信託は購入、売却の注文を出してから確定するまである程度の日数が必要となる。購入、売却の注文を出してから確定するまでの日数は投資信託によるため一概には言えない。詳細を知りたいなら注文時に閲覧を求められる目論見書できちんと確認する必要がある。
目安として、購入には2日から8営業日、売却には2日から12営業日がかかる。つまり、購入から売却までは最大で20営業日程度かかる。
海外のファンドほどこの期間は長くなる傾向にある。したがって、投資信託をなるべく早めに現金化したいなら、国内企業のファンドで検討した方が良い。
国内株式と投資信託を現金化後、楽天銀行「以外」へ出金する場合は
・弊社営業日の15:30までに出金指示
翌営業日にお客様の銀行口座に振り込まれます。・弊社営業日15:30以降の当日中に出金指示
その指示は翌営業日扱いとなり、銀行口座への振込みは翌々営業日となります。
となる。
楽天証券と楽天銀行が連携している場合、受渡日に楽天銀行へ出金ができる。楽天証券を利用するなら、楽天銀行の口座も持っておくべきだ。
ちなみに、楽天証券では楽天カードで投資信託を買える。これはクレジットカード利用枠の一部を現金化する手段としても使える(ただし、クレジットカードで購入できる金額は月5万円、年間60万円まで)。
楽天ポイント、楽天カードでの投資信託購入について更に詳しくは下記記事を参考に

投資を頻繁に行わない人でも、楽天経済圏で暮らす人は楽天証券の口座開設が必須となるだろう。
金券の購入・売却を通した楽天ポイント現金化
楽天ポイントは楽天市場やラクマ(楽天のフリマサイト)でも使える。ポイントを使えば各種ギフト券を購入できる。各種ギフト券はフリマサイトもしくはオークションサイト、街の金券ショップで売却(=現金化)ができる。
金券を通したポイントの現金化は期間限定ポイントも使えるといったメリットがある。楽天市場やラクマでは期間限定ポイントであっても1ポイント1円の価値として利用できる。
金券を通したポイント現金化のデメリットとしては、手続きが少々面倒になる点がある。購入して商品が到着した後、フリマサイトやオークション、もしくは街の金券ショップで売らなければならない。
また、金券を通すと、楽天ポイントの価値が1円以下になる。購入から売却まで送料、手数料などを引いてトータル額面の60%から90%程度になってしまう。友人でもない限り、1万円分のギフト券を1万円で売却するのはほぼ不可能だからだ。
もちろん、売却額は金券の種類、ショップ、時期にも大きく異なる。フリマサイトやオークションで売却するなら落札価格の相場をチェックし、金券ショップで売却する場合は予め売却可能な商品券を聞いておき、かついくらになるか?もギフト券購入前に電話などで問い合わせておこう。
下記では楽天で「お得に」買える金券を紹介する。
楽天で買える金券
購入金額と売却金額をだいたい同じにする方法として、ラクマ(楽天のフリマサイト)での金券購入がある。上でも述べたように、ラクマでも期間限定ポイントを利用できる。
ただし、ラクマでの期間限定ポイント利用は楽天Payを通しての決済になる。楽天Payを用意していない人はスマホアプリのダウンロードからしておこう。
ラクマで購入した金券は同じラクマ内で販売できる。ラクマで売却すると販売手数料として売却額の3.85%取られる(販売手数料についてより)。ラクマで売却して得たお金は楽天銀行へ1万円以上なら手数料無料で出金できる。安くギフト券を購入すれば利用したポイントの90%程度を現金化できるだろう。
フリマサイトやオークションサイトでの購入、売却が面倒なら楽天市場で購入し、街の金券ショップで売却すれば良い。
JCBギフトカードは多くの街の金券ショップで売却可能である。楽天市場でもJCBギフトカードは売られている。
楽天ポイントで購入しても、SPUによるポイント還元は受けられる。ただし、楽天カード決済が条件になる楽天カードの還元率は得られない。
ただ、楽天市場で売られている多くのギフト券では額面の価格よりも少々値段が上乗せされるのと、送料がかかってしまう。上記送料が安いショップでも、JCBギフト券1000円分の料金が1135円 (税込)であり、これに送料として250円がかかる。1000円分のギフト券を買うのに1385円もかかってしまう計算だ。額面1000円で売却しても利用したポイントの6割近くの額にまで減ってしまうため、あまりおすすめできない。
本屋で使える「図書カード」なら上乗せされた料金、送料を含めて107.5%で買える。
図書カードNEXT。図書カードNEXTの利用期間は10年間となっている。
購入価格では図書カードがお得なように思う。しかし、売却額だったり、売却できるかどうかは金券ショップやフリマサイト、オークションサイトによっても異なる。現金化する場合、購入価格だけでなく、売却可能な価格を調べた上で購入する金券の種類も選ぶべきだ。
楽天ポイント現金化の必要性
楽天の通常ポイントは上でも述べたように、株式や投資信託の購入ができる。こちらを売却すれば簡単に現金化できる。
楽天ポイントを現金化したい理由によっては別の手段で問題の解決ができる。現金を無理に用意する必要がなく、かつ楽天カード保有者なら、楽天カードの請求額支払に使うべきだ。

楽天カードの支払にポイントを利用すれば1ポイントを1.01円と1円以上の価値にできる。現金化よりも価値を高める使い方になる。
楽天モバイルや楽天でんきに加入してるなら、期間限定ポイントはこちらで利用すべきだ。

現金の代わりに利用することで、今持っている現金を減らさずに済む。携帯代や電気代は毎月かかる固定費なので、すぐに現金が必要な人でなければこちらの支払で利用した方が良いだろう。
生活費に使いたい場合などは現金化の必要もほぼ無い。たとえば、楽天ポイントカードと楽天Payを通せば、楽天ポイントはコンビニやスーパーなどでの支払にも使える。現金化の理由が街での支出なら、これら決済手段を用意すれば良いだろう。
楽天ポイントカード、楽天Payはいずれも期間限定ポイントを通常ポイントに混ぜて使える。また、いずれもスマホへアプリをダウンロードし、ログインするだけで利用できる。
楽天ポイントカードは利用できても楽天Payは使えない店、楽天Payは利用できても楽天ポイントカードは使えない店といった逆パターンもある。楽天ポイントカード、楽天Payの両方共用意しておくと、外での利用機会も広げられるはずだ。
楽天ポイントは楽天カード(クレジットカード)を筆頭に、楽天ポイントカード、楽天Payを通し、リアルでも利用範囲が広がっている。借金の返済や家賃の支払などですぐに現金が必要なら用意しなければならない。しかし、生活費など街の支出に使いたい場合などは現金化の必要性もそこまで高くないだろう。