「SBI・V・全米株式」を購入するならSBI証券、「楽天・バンガード・ファンド」を購入するなら楽天証券を利用すべきだ。なぜなら、VTIへ(間接的に)投資している日本の投資信託の中で、SBI証券では「SBI・V・全米株式」がもっとも手数料が安く、楽天証券では「楽天・バンガード・ファンド」がもっとも手数料が安く、SBI証券および楽天証券は投資信託の購入および保有で還元を受けれるからである。
SBI証券と楽天証券の両方に口座を持っている人は年会費が有料の三井住友のゴールドカードもしくはプラチナカードを持っているかどうかで「SBI・V・全米株式」もしくは「楽天・バンガード・ファンド」のどちらを購入すべきか決めれば良い。三井住友のゴールドカードもしくはプラチナカードを持っているならSBI証券で「SBI・V・全米株式」、三井住友のゴールドカードもしくはプラチナカードを持っていないなら楽天証券で「楽天・バンガード・ファンド」を購入するのがおすすめである。
「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド(愛称:SBI・V・全米株式)」と「楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド)」はいずれも日本の投資信託であり、米国ETFの「バンガード トータル ストック マーケットETF(VTI)」へ(間接的に)投資している。投資先が同じなので、これら投資信託のパフォーマンスはほとんど変わらない。
「SBI・V・全米株式」と「楽天・バンガード・ファンド」の違いは
1.保有でかかる手数料(信託報酬など)
2.買える証券会社
となっている。
保有でかかる手数料は「SBI・V・全米株式」で年0.0938%程度(税込)。大型株、中型株だけでなく、小型株を含めて広く米国株式市場へ投資する(CRSP米国総合指数に連動する)投資信託として「SBI・V・全米株式」の手数料がもっとも安くなっている。「楽天・バンガード・ファンド」の手数料は年0.162%程度(税込)になっている。
買える証券会社は「SBI・V・全米株式」が2021年11月現在、SBI証券のみとなっている。「楽天・バンガード・ファンド」を購入できる金融機関は楽天証券やSBI証券、マネックス証券など17社ある。
また、証券会社からの還元も異なっている。投資信託を買う上では証券会社ごとの還元も考慮して選んだ方が良いだろう。
ちなみに、VTIへ投資する投資信託ではなく、VTIを直接買う選択肢もある。SBI・Vシリーズを購入したい人はもちろん、投資先になる米国ETF(VTI)の購入もSBI証券の利用がおすすめである。SBI証券は取引手数料、為替コストなどの点で他の証券会社よりも安く米国ETFの購入ができるからだ。
この記事では
▶ 「SBI・V・全米株式」と「楽天・バンガード・ファンド」の違い
▶ 「SBI・V・全米株式」を「SBI証券」で購入・保有した場合と「楽天・バンガード・ファンド」を「楽天証券」で購入・保有した場合の比較まとめ
から
▶ 日本の投資信託(SBI・V・全米株式)と投資対象の米国ETF(VTI)、どちらを購入すべきか?
についても詳しく述べていきたいと思う。
「SBI・V・全米株式」と「楽天・バンガード・ファンド」の違い
「SBI・V・全米株式」と「楽天・バンガード・ファンド」はいずれも米国ETFの「バンガード トータル ストック マーケットETF(VTI)」へ(間接的に)投資している。VTIはCRSP米国総合指数に連動する米国ETFであり、NYダウやS&P500が含まない小型株も含み、米国株式時価総額の約100%をカバーしている。つまり、「SBI・V・全米株式」と「楽天・バンガード・ファンド」は米国の大型株、中型株だけでなく、小型株を含めて広く米国株式市場へ投資する日本の投資信託になる。VTIの純資産総額は世界で第3位となっており、世界で人気の米国ETFである。
「SBI・V・全米株式」は設定日が2021年6月29日からと申込みが始まったばかりである。「楽天・バンガード・ファンド」は設定日が2017年9月29日になっており4年以上販売している。
SBI・V・全米株式の販売が2021年11月現在、半年も経っていないため3ヶ月間のパフォーマンスで「SBI・V・全米株式」と「楽天・バンガード・ファンド」を比較すると下記のようになる。
SBI・V・全米株式の3ヶ月間チャート(2021年11月現在。site0.sbisec.co.jpより)
楽天・バンガード・ファンドの3ヶ月間チャート(2021年11月現在。site0.sbisec.co.jpより)
投資目標および投資先が同じなのでパフォーマンスにもほぼ差はない。
「SBI・V・全米株式」と「楽天・バンガード・ファンド」の主な違いは下記のように保有でかかる手数料と買える金融機関になる。
SBI・V・全米株式インデックス・ファンド (愛称:SBI・V・全米株式) | 楽天・全米株式インデックス・ファンド (愛称:楽天・バンガード・ファンド) | |
---|---|---|
保有でかかる手数料(信託報酬など) | 年0.0938%程度(税込) | 年0.162%程度(税込) |
買える金融機関 | SBI証券のみ | 楽天証券、SBI証券、マネックス証券など17社 |
2021年11月現在(site0.sbisec.co.jp、rakuten-sec.co.jpより)。
「SBI・V・全米株式」および「楽天・バンガード・ファンド」はノーロードと呼ばれる取引手数料無料の投資信託である。基本的に、どこの証券会社でも取引時(売買時)は手数料を取られない。
日本の投資信託は保有で手数料を取られる。保有でかかる主な手数料が信託報酬になる。信託報酬は1年間でかかる手数料の合計で、毎日計上されている。保有でかかる手数料はSBI・V・全米株式で年0.0938%程度(税込)、楽天・バンガード・ファンドで年0.162%程度(税込)。つまり、SBI・V・全米株式の方が0.0682%ほど安くなっている。
SBI・V・全米株式を1年間で平均100万円分保有した場合、手数料は約0.0938%なので約938円となる。楽天・バンガード・ファンドを1年間で平均100万円分保有した場合、約1620円となる。
また、購入できる金融機関について、SBI・V・全米株式を購入できる金融機関は2021年11月現在、SBI証券のみとなっている。しかし、同じSBI・Vシリーズであり、以前から「SBIバンガードS&P500」として販売されている「SBI・V・S&P500」はSBI証券のほかにも岡三オンライン証券やauカブコム証券など6社で販売されている(SBI・V・S&P500インデックス・ファンド月次レポート)。SBI・V・全米株式についても今後は複数社で買えるようになるだろう。ちなみに、楽天証券では「SBI・V・全米株式」だけでなく、「SBI・V・S&P500」の購入もできない。
楽天・バンガード・ファンドを購入できる金融機関は楽天証券やSBI証券、マネックス証券など17社ある(楽天・バンガード・ファンド月次レポートより)。つまり、楽天証券以外でも多数の証券会社で購入できる。ただし、楽天証券ではNISA口座だけでなく、iDeCoでも楽天・バンガード・ファンドを購入できる。
「SBI・V・全米株式」を「SBI証券」で購入・保有した場合と「楽天・バンガード・ファンド」を「楽天証券」で購入・保有した場合の比較まとめ
「SBI・V・全米株式」と「楽天・バンガード・ファンド」のどちらを購入すべきかは手数料だけでなく、「還元」も見て判断しなければならない。SBI証券および楽天証券では投資信託の「購入」と「保有」により還元も受けれる。
SBI・V・全米株式を「SBI証券」で購入・保有した場合と、楽天・バンガード・ファンドを「楽天証券」で購入・保有した場合とで得られる還元についてまとめると下記のようになる。
SBI証券 | 楽天証券 | |
---|---|---|
購入による還元 | 三井住友カードによる購入で0.5%から2% | 楽天カードによる購入で1%還元 |
保有による還元 | SBI証券における保有で年利0.0242%の還元 | 楽天証券における保有で10万円ごとに毎月4ポイント還元(年利0.048%) |
2021年11月現在(rakuten-sec.co.jp、search.sbisec.co.jpより)
SBI証券では毎月5万円まで投資信託を三井住友カードで購入できる。この三井住友カードによる購入では0.5%から2%の還元を受けれる(2021年12月10日までは+1%で最大3%になっている)。
年会費無料の三井住友カードで0.5%還元、三井住友カード ゴールドで1%還元、三井住友カード プラチナで2%還元になっている。
毎月5万円までなので、還元されるポイントは2%還元で最大1000円相当のポイントとなる。つまり、毎月1000円、1年で最大1万2000円相当のポイントが還元される。
楽天証券でも毎月5万円まで投資信託を楽天カードで購入できる。年会費無料の楽天カードも含め、すべての楽天カードで1%の還元を受けれる。5万円分の投資信託を購入すると、毎月500ポイント、1年6000円相当の還元を受けられる。
また、上でも紹介したように、SBI証券で「SBI・V・全米株式」を保有すると年0.0938%程度(税込)の手数料がかかる。たとえば、平均100万円分保有すると、年938円程度を手数料として取られる。ただ、SBI証券で「SBI・V・全米株式」を保有すると年率0.0242%の還元も得られる。毎月20ポイント、年間240ポイント程度の還元を受けれる。1000万円だと年間2420ポイント程度の還元になる。したがって、平均100万円分の「SBI・V・全米株式」をSBI証券で保有すると、年938円程度の手数料と240ポイント程度の還元を受けられる。
楽天証券では「SBI・V・全米株式」を購入できない(2021年11月現在)。CRSP米国総合指数との連動を目指す投資信託の中で「SBI・V・全米株式」の次に保有でかかる手数料が安いのは「楽天・バンガード・ファンド」である。
「楽天・バンガード・ファンド」を保有すると年0.162%程度の手数料がかかる。平均100万円分保有すると、年1620円程度を手数料として取られる。ただ、楽天証券で「楽天・バンガード・ファンド」を保有すると年率0.048%の還元も得られ、毎月40ポイント、1年間の合計で約480ポイント程度を得られる。したがって、平均100万円分の「楽天・バンガード・ファンド」を楽天証券で保有すると、年1620円程度の手数料と480ポイント程度の還元を受けられる。
SBI証券でSBI・V・全米株式、楽天証券で楽天・バンガード・ファンドを購入・保有した場合の「手数料」と「還元」について
SBI証券と楽天証券における手数料と還元について、
①SBI証券で毎月5万円分の「SBI・V・全米株式」を三井住友カードで購入し、1年平均100万円分を保有
②楽天証券で毎月5万円分の「楽天・バンガード・ファンド」を楽天カードで購入し、1年平均100万円分を保有
上記の条件でまとめると下記のようになる。
①SBI・V・全米株式 (SBI証券) | ②楽天・バンガード・ファンド (楽天証券) | |
---|---|---|
購入手数料・解約手数料(売買手数料) | 0(無料) | 0(無料) |
保有でかかる手数料(1年平均100万円分を保有した場合) | 年938円程度 | 年1620円程度 |
購入による還元(毎月5万円分購入した場合) | 三井住友カード(0.5%還元):250ポイント(年3000ポイント) 三井住友カード ゴールド(1%還元):500ポイント(年6000ポイント) 三井住友カード プラチナ(2%還元):1000ポイント(年1万2000ポイント) | 毎月500ポイント(年6000ポイント) |
保有による還元(平均100万円分を保有した場合) | 年240ポイント程度 | 年480ポイント程度 |
2021年11月現在
①手数料938円程度+3240ポイントから1万2240ポイントの還元
②手数料1620円程度+6480ポイントの還元
SBI証券で還元されるポイントはPontaポイントもしくはTポイント。楽天証券で還元されるポイントは楽天ポイントになる。これらのポイントでは株式の購入もでき、1ポイント=1円以上の価値はあるため、これら条件で購入、保有すると、還元が保有でかかる手数料よりも高くなる。上でも記載しているように、SBI証券では938円の手数料を払う一方で、3240ポイントから1万2240ポイントの還元を受けられるからだ。
ちなみに、楽天証券では年会費無料の楽天カードによる購入でも1%の還元を受けれる。しかし、三井住友カードで1%以上の還元を受けるにはゴールドカードもしくはプラチナカードにしなければならない。投資信託の購入で1%の還元を得られる「三井住友カード ゴールド」でも年会費は年1万1000円(税込)なので、「SBI証券で1%以上の還元を受けるために」三井住友のゴールドカードもしくはプラチナカードを作成するのはおすすめできない。上でも紹介したように、三井住友カードでも月5万円分までの投資信託しか購入できず、これで受けられる還元もプラチナカードの2%で月1000円(年間1万2000円)にしかならないからだ。年会費以下の還元しか受けれないのである。
ただし、三井住友カード ゴールドで年間100万円以上利用すれば年会費は無料になり、1万ポイント分の還元も別途追加で受けれる。ほかにも特典を利用する人なら損にはならない。そういう人はSBI証券で「SBI・V・全米株式」を購入した方が良いだろう。三井住友のゴールドカードもしくはプラチナカードに年会費分を払うメリットがない人なら楽天証券で「楽天・バンガード・ファンド」を購入するのがおすすめである。
CRSP米国総合指数との連動を目指す投資信託に限らず、投資信託を購入するなら迷わずSBI証券もしくは楽天証券を選ぶべきだ。
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また、投資信託の購入前に、利用できるクレジットカードも申し込んでおこう。
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まだSBI証券の口座や三井住友カードを持っていない人は下記ポイントサイト経由で申し込みをすべきだ。追加でポイントをもらえるためポイントサイトを経由しなければ損である。
2021年11月現在、ポイントサイトを経由してSBI証券口座を開設した場合、追加で8000ポイント(=8000円)をもらえる。
2021年11月現在、年会費無料の三井住友カードをポイントサイト経由で申し込んだ場合、追加で2300ポイント(=2300円)をもらえる。三井住友カード ゴールドなら6000ポイント(=6000円)。ポイントサイトでもらえるポイントのほかにも、三井住友カードでは還元を受けれる。
現在、SBI証券でSBI・V・全米株式の購入に使えるクレジットカードは「三井住友カード」のみとなっている。
ポイントサイトへ登録後、それぞれ「SBI証券」「三井住友カード」で検索すれば申し込みリンクが表示される。
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もちろん、ポイントサイトへの登録は無料である。
日本の投資信託(SBI・V・全米株式)と投資対象の米国ETF(VTI)、どちらを購入すべきか?
日本の証券会社では米国ETFのVTI(バンガード トータル ストック マーケットETF)も直接購入できる。VTIはSBI・V・全米株式および楽天・バンガード・ファンドの投資先であり、CRSP米国総合指数との連動を目指している。
「SBI・V・全米株式」と投資先の「VTI」の基本的な違いをまとめると下記のようになる。
SBI・V・全米株式 | バンガード トータル ストック マーケットETF (VTI) | |
---|---|---|
商品の種類 | 日本の投資信託 | 米国ETF (上場投資信託) |
投資成果の目標 | VTIへ投資し、CRSP米国総合指数への連動を目指す | 米国の大型株、中型株だけでなく、小型株を含めて広く投資し、CRSP米国総合指数への連動を目指す |
最低購入額 | 100円から1円単位で購入できる | 1口単位で購入できる。2021年11月現在は1口234.10ドル |
通貨 | 日本円(円建て) | 米ドル(ドル建て) |
分配金 | 実績無し | 2020年まで毎年4回配られている |
投資信託のSBI・V・全米株式は日本円で購入できるため為替コストはかからない。ただし、元がドル建ての米国株なので、為替レートによっても日本円での評価額は変わる。たとえば、円安・ドル高になると、投資先米国株式の価格が上がらなくても日本円での評価額は上がる(逆に円高になると評価額は下がる)。
また、SBI・V・全米株式は100円以上1円単位で購入できる。VTIは1口単位での購入になる(2021年11月現在、VTIの価格は1口234.10ドル=約2万6582円)。くわえて、SBI・V・全米株式は購入・売却に手数料もかからないため、毎日100円ずつ、手数料を取られずに購入できる。少額で頻繁に売買できる点も投資信託のメリットになる。
下記ではSBI・V・全米株式とVTIの
1.分配金
2.手数料と還元
3.NISA口座の利用
についてさらに詳しく紹介していく。
分配金について
VTIは毎年4回分配金を配っている。2016年から2020年までのVTI1口あたり分配金実績をまとめると下記のようになる。
2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | |
---|---|---|---|---|---|
VTIの分配金 | 2.215ドル | 2.343ドル | 2.6046ドル | 2.9047ドル | 2.7694ドル |
それぞれ2016年から2020年まで年4回分の合計金額になる。VTIの2021年11月現在の価格は1口234.10ドル。分配金の利回りは毎年1%から2%の間だった。
VTIに対し、SBI・V・全米株式は分配金を配った実績がない。現在、SBI・V・全米株式は投資先であるVTIから得た配当を再投資に回している。
不労所得に憧れている人には分配金を得る目的で投資をする人もいるだろう。しかし、分配金は受け取るよりも再投資した方がメリットは大きい。なぜなら、再投資した場合、分配金は投資信託の価格に上乗せされるため、含み益が出ても売却するまで課税されないからだ。
VTIを購入すると、元本で含み損が生じてる場合でも分配金には税金が課せられてしまう。つまり、分配金に課税され、さらには売却で損するといったケースが米国ETFでは生じうるのだ。
また、SBI・V・全米株式や楽天・バンガード・ファンドだけでなく、多くの投資信託は購入手数料・解約(売却)手数料が無料になっている。くわえて、投資信託の多くは100円以上1円単位での売却もできる。つまり、100円ずつ、手数料を取られずに売却もできる。米国ETFのような分配金を投資信託で受け取りたいなら、欲しい分だけ売却すれば分配金の代用ができるのだ。含み益の金額だけ売却し、分配金代わりにしても良いだろう。
購入・売却での手数料がないため少額で頻繁に売買できる点も投資信託のメリットになる。分配金の有無で投資先を決める必要はない。
SBI証券における手数料と還元
SBI・V・全米株式およびVTIをSBI証券で購入・保有した場合で手数料と還元をまとめて比較すると下記のようになる。
SBI・V・全米株式 (SBI証券で購入・保有) | VTI(バンガード トータル ストック マーケットETF) (SBI証券で購入・保有) | |
---|---|---|
買付手数料 | 0(無料) | 0(SBI証券では無料) |
信託財産留保額 (解約手数料、売却手数料) | 0(無料) | 0.495%(税込)。上限手数料は税込22ドル(税込) |
為替コスト | 0(無料。円建て) | 1ドルあたり0.25円から(住信SBIネット銀行なら0.04円から) |
保有でかかる手数料(信託報酬など) | 年0.0938%程度(税込) | 年0.03%程度(税込) |
購入で受けれる還元 | 月5万円まで三井住友カード決済により0.5%から2%還元 | 無し |
保有で受けれる還元 | 年率0.0242% | 無し |
2021年11月現在
VTIと比較した「SBI・V・全米株式の優れた点」としては取引手数料、為替コストが無料の点が上げられる。また、SBI・V・全米株式は100円以上1円単位でも売買できるため、少額で頻繁に取引したい人にもおすすめである。
くわえて、SBI証券でSBI・V・全米株式を「購入」「保有」すると還元も得られる。
SBI証券でSBI・V・全米株式を保有すると年率0.0242%の還元をPontaポイントもしくはTポイントで受け取れる。この還元分を引くと、SBI・V・全米株式の実質的な信託報酬は0.0696%になる。
SBI証券では毎月5万円まで投資信託を三井住友カードで購入できる。この三井住友カードによる購入では0.5%から2%還元の還元を受けれるため、5万円分の投資信託を購入すると、毎月250ポイントから1000ポイントの還元を受けられる。つまり、年間で最大3000ポイントから1万2000ポイントをもらえるため、購入額によってはSBI・V・全米株式でかかる手数料よりも還元されるポイントの方が大きくなる。
SBI・V・全米株式と比較した「VTIの優れた点」としては保有でかかる手数料(経費率)が安い点が上げられる。
また、SBI証券ではVTIの買付時にかかる手数料(買付手数料)が無料になっている。ただし、SBI・V・全米株式とは違い売却時に手数料がかかる。米国ETFの売却手数料はSBI証券で0.495%(税込)。約定代金が4444.45ドル以上の場合は一律22ドル(税込)の手数料になる。したがって、取引金額が4444.45ドル(約49万円)よりも高くなればなるほど、手数料の割合は低くなる。
SBI証券ではSBI・V・全米株式の購入と保有による還元を受けれる。VTIでは購入と保有による還元がない。しかし、保有でかかる手数料はVTIの方が0.03%とかなり安い。
こうした特徴を踏まえると、少額で頻繁に取引をしたい人には「SBI・V・全米株式」、一度の取引金額が大きく、取引回数が少ない人(長期で保有したい人)には「VTI」がおすすめと言える。
保有金額はNISA枠を目安にしても良いだろう。たとえば、NISA枠内(年120万円以内)ではSBI・V・全米株式を購入し、NISA枠を越えた分はVTIを購入するのも悪くない。
繰り返すが、SBI証券でSBI・V・全米株式を購入するなら現金ではなく、三井住友カードによるカード決済にすべきだ。まだSBI証券の口座や三井住友カードを持っていない人は下記ポイントサイト経由で申し込みをしよう。追加でポイントをもらえるためポイントサイトを経由しなければ損である。
2021年11月現在、ポイントサイトを経由してSBI証券口座を開設した場合、追加で8000ポイント(=8000円)をもらえる。
2021年11月現在、年会費無料の三井住友カードをポイントサイト経由で申し込んだ場合、追加で2300ポイント(=2300円)をもらえる。三井住友カード ゴールドなら6000ポイント(=6000円)。ポイントサイトでもらえるポイントのほかにも、三井住友カードでは還元を受けれる。
現在、SBI証券でSBI・V・全米株式の購入に使えるクレジットカードは「三井住友カード」のみとなっている。
ポイントサイトへ登録後、それぞれ「SBI証券」「三井住友カード」で検索すれば申し込みリンクが表示される。
>>> 「SBI証券の口座開設」や「三井住友カードの申し込み」で現金還元を受けれるポイントサイトへのリンク
もちろん、ポイントサイトへの登録は無料である。
利益にかかる税金についてはSBI・V・全米株式もVTIもNISA口座で非課税にできる。
NISA口座の利用
投資信託である「SBI・V・全米株式」はもちろん、ドル建て米国ETFである「VTI」もNISA口座で購入できる。
SBI・V・全米株式は投資信託なので、(一般)NISA、つみたてNISA口座で購入できる。つみたてNISA口座は毎年40万円まで20年間、最大800万円まで非課税になる。もちろん、NISA口座でも、三井住友カードを利用した投資信託の購入や保有による還元は受けれる。
VTIは外国株式に分類され、(一般)NISA口座にて購入ができる(つみたてNISA口座ではVTIの購入ができない)。NISA口座は毎年120万円まで5年間、最大600万円まで非課税となる。NISA口座で購入すればVTIで配られている分配金も非課税となる。
利益や分配金に課税される税額は、所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%の合計20.315%なので手数料よりも高くなるだろう。つみたてNISAなら、20年間という長期で非課税額も大きくなる。
米ドルの買い付けといった手続きも必要ないため、少額の投資から始めたい投資初心者には投資信託のSBI・V・全米株式をSBI証券のつみたてNISA口座で購入するのがおすすめである。
>>> 「SBI証券の口座開設」や「三井住友カードの申し込み」で現金還元を受けれるポイントサイトへのリンク
この記事で比較した「SBI・V・全米株式」と「楽天バンガードファンド」は大型株だけでなく、NYダウやS&P500に「含まれない」中型株、小型株まで含み、米国株式時価総額の約100%をカバーしている。
中型株、小型株を含まず、米国株式市場の大型株で構成される指標としてS&P500がある。ある程度の安定性を期待して米国の大型株に投資をしたいならS&P500との連動を目指す日本の投資信託の購入を検討すべきだ。S&P500との連動を目指す日本の投資信託としては「SBI・V・S&P500(旧:SBIバンガードS&P500)」と「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」が手数料も安くおすすめである。
SBIバンガードS&P500とeMAXIS Slim米国株式(S&P500)のどちらを、どの証券会社で買うべきか?について詳しく知りたい人は下記記事を断行に。
