楽天経済圏とは、楽天市場や楽天が提供するサービスなど、主に楽天ポイントが流通している経済圏を言う。これに対して、ヤフー経済圏(PayPay経済圏)とはヤフーが提供するサービスやポイントで回る経済圏を言う。主にPayPayやTポイントが流通している経済圏になる。
楽天は楽天市場というショッピングモールだけでなく、楽天銀行や楽天証券、楽天カード、楽天モバイル、楽天でんき、楽天ひかり、Rakuten TVなど楽天ポイントが貯まり、利用もできる範囲を広げてきた。日本では多くの消費を楽天経済圏で完結させて、生活できるようになっている。
ヤフーもPayPayとTポイントによってその範囲を広げてはいる。しかし、ヤフー経済圏は生活に必要性の高いサービスまでは広がっていない。したがって、現状で言えば、楽天経済圏中心の消費をした方が豊かになるだろう。
この記事では
▶ 楽天ポイントを中心とする楽天経済圏の特徴
▶ Tポイント、PayPayを中心とするヤフー経済圏の特徴
から
▶ ヤフー経済圏が楽天経済圏を越えるために必要なこと
まで詳しく述べていきたいと思う。
楽天ポイントを中心とする楽天経済圏の特徴
楽天ポイント(正式名称:楽天スーパーポイント)は楽天における商品・サービスの消費、決済を中心に貯まりやすく、消費しやすいポイントになっている。
楽天が他のポイントサービスよりも優れている点としては
・商品、サービスの値段が安い上に、還元率が高い
・楽天ポイントが現金並に利便性が高い
以上の2点が大きい。これらの性質により、楽天経済圏での消費を増やしてる人は以前よりも豊かになっている。
下記でそれぞれ詳しく述べていく。
商品、サービスの値段が安い上に、還元率が高い
還元率が高くとも、商品・サービスの元の値段が高ければ結局お得とは言えない。楽天が優れているのは商品・サービスの値段が安い上に、還元率が高いところである。
たとえば、ドラッグストアで購入するような日用品は楽天で買った方が安い。都心部のドラッグストアではレジの待ち時間が発生しているところもあるだろう。楽天で購入すれば値段も安く、待ち時間、持ち運びの労力も必要ない。また、電化製品以外であればAmazonよりも安く購入できる。

Amazonよりも商品の値段が全体的に安いという事実はあまり知られていないかもしれない。
生活する上で必須の電気や携帯電話、クレジットカードでも楽天のサービが提供されている。楽天でんきと楽天モバイル、楽天カードである。楽天でんきと楽天モバイルは既存のサービスと比べて値段が安くなり、楽天における消費や寄付の還元率も上がる。
また、商品の値段が安いだけでなく、SPUやキャンペーンを合わせれば20%以上の還元も受けられる。

楽天は商品・サービス自体の値段も安い上に、20%以上の還元も難しくない。結果として、楽天経済圏での消費に絞ると生活が豊かになるのだ。
楽天ポイントが現金並に利便性が高い
楽天の通常ポイントは楽天証券を通して株式や投資信託の購入にも利用できる。また、クレジットカードの支払、デビットカードの引落元にも使える。証券会社における投資、クレジットカードやデビットカードを通した決済にも利用できるため、1ポイント=1円の価値に等しい。
確かに、「期間限定」ポイントは投資信託や株式の購入には使えず、クレジットカードの支払やデビットカードの支払元には利用できない。しかし、利用範囲が制限されている期間限定ポイントでも、ふるさと納税といった寄付に使えたり、電気代、携帯電話代に利用できる。特に、日本では必須の支出になる電気代、携帯電話代に利用できる点で、こちらも現金並みの価値になっているだろう。日本において、ここまで幅広く利用できるポイントは楽天ポイントぐらいしかない。
ちなみに、楽天ポイントは間接的にしか現金への交換ができない。
ただ、上でも述べたように、楽天ポイントは他のポイント以上に利用範囲が広く、期間限定ポイントでも必要支出での支払に利用できる。楽天経済圏で生活している人なら、現金へ交換する必要性は高くないだろう。
Tポイント、PayPayを中心とするヤフー経済圏の特徴
ヤフー経済圏とはヤフーが提供するサービスやポイントで回る経済圏を言う。主にPayPayやTポイントが流通している経済圏である。最近はTポイントよりもヤフーの自社ポイントであるPayPayの流通を増やしている。また、ヤフーからPayPayブランドへと名称を変更し、サービス自体も広げている。1、2年後にはヤフー経済圏からPayPay経済圏になっているだろう。
ヤフー経済圏の優れている点としては
・リアル店舗におけるPayPayやTポイントの流通
・ネットショッピングにおける通信サービス契約者の還元アップ
以上の2点がある。
下記でそれぞれ詳しく述べていきたいと思う。
リアル店舗におけるPayPayやTポイントの流通
ヤフー経済圏が広がっている理由として、リアル店舗におけるPayPay決済の普及は大きい。大手スーパーからコンビニまで、PayPayによる決済可能店は増え、それによりPayPay残高が貯まる、使える機会も増えている。PayPayはセブンイレブンやローソンなどの主要なコンビニ、イトーヨーカドー、イオンといった大型スーパーでも利用できる。
もともとTカードの提示でポイントが貯まるTポイント提携店も多かった。これに加えて、PayPay加盟店が増えていけば、リアル店舗を利用する機会の多い人から恩恵を受けていくだろう。
Yahoo!ショッピングにおける通信サービス契約者の還元アップ
PayPayモールもしくはYahoo!ショッピング、LOHACO(ロハコ)で商品を購入すると1%のTポイントが貯まる。また、Y!モバイルや ソフトバンク(携帯)契約者はこれらショッピングモールでの還元率が10%以上にまで増やせる。
たとえば、Y!モバイルに契約しているユーザーだと、通常1%のTポイント還元に加えてPayPayモールで+4%還元、Yahoo!ショッピング、LOHACOで+2%還元を受けれる。また、Y!モバイルに契約しているユーザーはYahoo!プレミアム会員が自動的に付いてくる。このYahoo!プレミアム会員では「2%のPayPayボーナスライト」がもらえる。
さらに、月額500円のEnjoyパックへ加入すれば、+5%のPayPayボーナスライトももらえる。
つまり、Y!モバイルとEnjoyパックへの加入でYahoo!ショッピングでの還元率は2%のTポイント+9%のPayPayボーナスライトにできる。
また、ソフトバンク携帯ユーザーもPayPayモールで買い物すると最大20%還元を受けれる。
Y!モバイルやソフトバンクユーザーならPayPayモールやYahoo!ショッピングといったショッピングモールで10%以上の還元は難しくない。Y!モバイルもしくはソフトバンク携帯ユーザーならこうしたショッピングモールの利用を積極的に検討してもよいだろう。
ちなみに、Yahoo!ショッピングはハピタス経由で1%、すぐたま経由で0.9%還元をさらに追加でもらえる。ハピタス、すぐたまで貯まったポイントは現金への交換もできる。
ハピタス、すぐたまでは楽天市場も追加で1%還元を受けれるため、楽天もしくはYahoo!ショッピングを利用している人は登録しておくべきだ。
Y!モバイルもしくはソフトバンク携帯ユーザーでPayPayモールやYahoo!ショッピングといったショッピングモールの利用を考えている人、利用中の人は下記記事も必読である。
ヤフー経済圏は楽天経済圏よりも人を豊かにするのか?
ヤフー経済圏で中心となる消費はPayPayモール、Yahoo!ショッピング、LOHACOといったネットショッピングになるかと思う。日用品などの購入はスーパーよりも安く、多くの人にとって必須とも言える消費になる。くわえて、Y!モバイルや ソフトバンク(携帯)の契約で10%還元も難しくない。商品自体も楽天やAmazon並に安く買えるため、シンプルに10%程度の還元を受けれるのは大きなメリットだ。
楽天のSPUで高還元を受けるには楽天カードや楽天銀行、楽天証券、楽天モバイルといった複数のサービス利用が必須になる。ただし、楽天における楽天ポイントに比べると、ヤフー経済圏における還元は付与上限額が低い。また、「必要性の高い消費」においてはPayPay残高もTポイントもまだまだ貯まりにくく、利用範囲も狭いと言わざるを得ない。
下記では
1.楽天とヤフーのポイント付与上限額
2.楽天ポイントとTポイント、PayPay残高の貯めやすさと使いやすさ比較
から
3.PayPayブランドの拡大、LINEとの経営統合で広がるヤフー経済圏の将来
まで詳しく紹介していきたいと思う。
楽天とヤフーのポイント付与上限額
ヤフーはY!モバイルやソフトバンクといった携帯ユーザー、Enjoyパックの契約で簡単に10%還元を受けれる。ただし、Y!モバイルにおいて還元の多くを占めるEnjoyパックの場合、5%還元で1000円しか付与されない。したがって、毎月2万円分までの買い物にしか、Enjoyパックによる還元を受けれない
これに対し、楽天のSPUでは多くが1%還元で上限5000ポイントとなっている。つまり、毎月50万円まではSPUにより最大16%(8万円分)の還元を受けられる。還元率がアップするキャンペーン時に購入すれば10万円分のポイント還元も難しくない。ふるさと納税分を加えても、毎月十分な額の上限となっているだろう。
楽天ポイントとTポイント、PayPay残高の貯めやすさと使いやすさ比較
ヤフー経済圏にはふるさと納税といった寄付での還元は受けれない。寄付は高額になるため、ふるさと納税で還元を受けれる「楽天ふるさと納税」は利用価値も高いだろう。

確かに、リアル店舗ではTポイントやPayPay残高の貯まる提携店が多い。しかし、生活必需品だけでなく、銀行や証券、クレジットカードにデビットカード、電気、通信といった必要性の高いサービスにおいては、楽天ポイントの方が広い意味で「貯めやすい」「使いやすい」ポイントと言えるだろう。
また、リアル店舗においてPayPay決済しか使えないなら、楽天Payとも競合しない。こうした店舗では楽天ユーザーもPayPay決済を使えば良いかと思う。
「使いやすさ」でも、PayPay残高とTポイントは楽天ポイントより劣っている。確かに、TポイントはSBI証券で投資信託の購入、SBIネオモバイル証券では株式の購入に使える。他のポイントよりは利用範囲も広い。
しかし、楽天ポイントとは違い、TポイントやPayPay残高はクレジットカードの支払には使えない。ENEOSでんきやENEOSガスといった光熱費でTポイントが貯まるサービスはあるものの、Tポイントによる支払はできない。携帯電話でも、期間限定ポイントで全額支払える楽天モバイルとは異なり、Y!モバイルの請求金額は一部でしかPayPay残高による支払はできない。
PayPay残高、Tポイントともに貯めるのも使うのも楽天ポイントより現状は劣っていると言わざるを得ないだろう。
PayPayブランドの拡大、LINEとの経営統合で広がるヤフー経済圏の将来とは?
楽天は金融から通信、電気まで生活に必須な分野でのサービスを消費者向けに展開している。
ヤフーも今後はPayPayのブランドを金融で拡大していくことが決まっている。
2020年度秋からの名称変更。ジャパンネット銀行がPayPay銀行に変わる点では批判も多かった
こうしたブランドが拡大していけば、金融サービスでもPayPay残高が貯まったり、使えるようになるだろう。
また、2020年度中にヤフーはLINEとの経営統合が行われる。LINEではLINEポイントといった独自サービスが広い分野で展開されており、こうしたLINEの既存サービスへもPayPay経済圏を広げていく可能性がある。
楽天経済圏では金融から電気、通信、エンタメまで生活に必要な幅広いサービスで楽天ポイントが貯まり、使える状態になっている。現状は間違いなく楽天経済圏の方が生活を豊かにしてくれるだろう。
ヤフー経済圏への引っ越しはPayPayブランドの拡大やLINEとの経営統合により広がりを見せる各種サービスの展開を見てから決めるべきだ。