「楽天バンガードファンド(楽天 全米株式インデックス ファンド)」は「バンガード トータル ストック マーケットETF(VTI)」へ投資する投資信託である。VTIは大型株だけでなく、中型株、小型株を含めて広く米国株式市場へ投資し、米国株式時価総額の約100%をカバーしている。
「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」はS&P500インデックスに採用されている米国株式へ投資する投資信託になる。S&P500に採用されている米国の大型株へ投資している。
ある程度の安定性を期待して米国の大型株に投資をしたいなら「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」、米国の大型株だけでなく、小型株、中型株も含めて広く米国株式市場に投資をしたいなら「楽天バンガードファンド」がおすすめである。
楽天バンガードファンドとeMAXIS Slim米国株式をまとめて比較すると下記のようになる。
楽天バンガードファンド | eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | |
---|---|---|
委託会社名 | 楽天投信投資顧問 | 三菱UFJ国際投信 |
分配金 | 実績無し | 実績無し |
買付単位 | 100円以上1円単位で購入できる | 100円以上1円単位で購入できる |
投資先 | 小型、中型、大型株を含む米国株式市場へ投資(VTIへ投資) | 米国株式市場の大型株へ投資 |
信託報酬 (2020年10月現在) | 年0.162%(税込) | 年0.0968%(税込) |
購入手数料・解約手数料 | 0(無料) | 0(無料) |
為替コスト | 0(円建て) | 0(円建て) |
利益・配当にかかる税金 | 20.315%(NISA口座なら非課税) | 20.315%(NISA口座なら非課税) |
2020年11月現在
楽天バンガードファンドは楽天証券やSBI証券、マネックス証券をはじめ、17の金融機関で購入できる(2020年11月現在。doc.wam.abic.co.jpより)。楽天証券ではiDeCo(イデコ)でも楽天バンガードファンドを購入できる。iDeCoで購入したら、配当や利益は非課税であり、受取時に控除も受けれる。
eMAXIS Slim米国株式も楽天証券やSBI証券、マネックス証券をはじめ、21の金融機関で購入できる(2020年11月現在。emaxis.jpより)。
投資信託は楽天証券で購入すべきだ。なぜなら、楽天証券なら投資信託の購入で1%還元、保有で投資信託の残高10万円ごとに毎月4ポイント(年率0.048%)の還元を受けれるからだ。購入額や保有期間によっては手数料を取られるどころか還元の方が多くできる。
楽天バンガードファンド、eMAXIS Slim米国株式のどちらを買うにしても証券会社は楽天証券を使うべきだ。まだ楽天証券に口座を開設していない人は早めに申し込みをしておこう。
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投資信託の運用が中心なら楽天証券にて「つみたてNISA」の口座も一緒に申し込むべきである。
この記事では
▶ 楽天バンガードファンドとeMAXIS Slim米国株式の投資先
▶ 楽天バンガードファンドとeMAXIS Slim米国株式のパフォーマンス
から
▶ 楽天バンガードファンドとeMAXIS Slim米国株式、どちらを買うべきか?
まで述べていきたいと思う。
楽天バンガードファンドとeMAXIS Slim米国株式の投資先
「楽天バンガードファンド(楽天 全米株式インデックス ファンド)」は「バンガード トータル ストック マーケットETF(VTI)」へ投資する投資信託である。VTIは大型株、中型株だけでなく、小型株を含めて広く米国株式市場へ投資するETF(上場投資信託)である。VTIにはNYダウやS&P500が含まない小型株も含み、米国株式時価総額の約100%をカバーしている。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は「S&P500インデックスマザーファンド」を通じて、S&P500に採用されている米国の大型株へ投資している。
つまり、楽天バンガードファンドとeMAXIS Slim米国株式の違いは「米国の中型・小型株を含むかどうか?」になる。楽天バンガードファンドは大型株だけでなく中型・小型株も含んでおり、eMAXIS Slim米国株式は大型株のみで中型・小型株を含んでいない。
楽天バンガードファンドとeMAXIS Slim米国株式の上位保有銘柄と純資産総額に占める割合
楽天バンガードファンドとeMAXIS Slim米国株式(S&P500)が最終的に向かう米国株式の上位保有銘柄について、純資産総額に占める割合が多い順に紹介すると下記のようになる。
楽天バンガードファンド (バンガード トータル ストック マーケットETF) | eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | |
---|---|---|
1 | アップル 5.3% | アップル 6.5% |
2 | マイクロソフト 4.7% | マイクロソフト 5.4% |
3 | アマゾン 4.0% | アマゾン 4.8% |
4 | フェイスブック A株 1.9% | フェイスブック A株 2.4% |
5 | アルファベット A株 1.3% | アルファベット A株 1.6% |
6 | アルファベット C株 1.2% | アルファベット C株 1.6% |
7 | バークシャー・ハサウェイ B株 1.2% | バークシャー・ハサウェイ B株 1.4% |
8 | ジョンソンアンドジョンソン 1.2% | ジョンソンアンドジョンソン 1.3% |
9 | P&G 1.0% | P&G 1.2% |
10 | VISA 1.0% | エヌビディア 1.1% |
楽天バンガードファンド(バンガード トータル ストック マーケットETF)は2020年9月末基準(rakuten-toushin.co.jpより)、eMAXIS Slim米国株式は2020年10月末基準(emaxis.jpより)。いずれも上位10銘柄まで開示している。ただ、アルファベット(旧Google)株をA株とC株に分けて記載しているため、9社となっている。アルファベットのA株(クラスA株)は株主総会における議決権ありの普通株式であり、C株(クラスC株)は議決権がない。C株は配当や売却益を得る目的で購入される。
上記のように、楽天バンガードファンドとeMAXIS Slim米国株式の上位保有銘柄についてはほとんど違いがない。日本でも有名な米国の大型株が多い。
楽天バンガードファンドとeMAXIS Slim米国株式のパフォーマンス
楽天バンガードファンドの設定日が2017年9月29日、eMAXIS Slim米国株式の設定日が2018年7月3日と、いずれも運用が始まってから4年以内の新しい投資信託になっている。
上位保有銘柄にほとんど差がないため、価格の推移も似たような形のチャートになっている。
楽天バンガードファンドの1年間チャート(2020年11月現在。rakuten-sec.co.jpより)
eMAXIS Slim米国株式の1年間チャート(2020年11月現在。rakuten-sec.co.jpより)
2020年11月の期間別基準価額騰落率で詳細を見ると、楽天バンガードファンドの方が若干パフォーマンスは良い。
楽天バンガードファンド | eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | |
---|---|---|
前日比 | +0.56% | +0.41% |
1週間 | +0.82% | +0.24% |
1ヶ月 | +3.54% | +2.95% |
3ヶ月 | +5.64% | +4.27% |
6ヶ月 | +21.31% | +18.73% |
1年 | +12.66% | +11.44% |
期間別基準価額騰落率(2020年11月基準。site0.sbisec.co.jp、site0.sbisec.co.jpより)
楽天バンガードファンドとeMAXIS Slim米国株式、どちらを買うべきか?
株式自体が不況に弱く、特に小型株、中型株は大型株よりも影響を受けやすい。ただ、2020年11月現在の1年以内のパフォーマンスで見るとeMAXIS Slim米国株式よりも楽天バンガードファンドの方が成績は良かった。これはリスクオンの流れ(リスクの低い金融商品からリスクの高い金融商品への流れ)が進み、安定して成長する大型株からハイリスク・ハイリターンの小型株・中型株へとお金が流れたためである。
大型株の特徴としてはすでに業績を出しており、取引が活発に行われている。そのため、株価は大きく変化せず、安定的に成長し、配当も出している企業が多い。対して、中型、小型株はハイリスク・ハイリターンの銘柄になる。取引量が少ないため、材料が出れば大きく株価は動く。小型株にはベンチャー企業も多く、大きく成長する可能性がある一方で、すぐに撤退してしまう企業もある。また、中型株、小型株の方が不況には弱い。
今後も、ある程度の安定性を期待するなら大型株へ投資する「eMAXIS Slim米国株式」、多少のリスクを取って小型株、中型株へも投資したいならVTIへ投資する「楽天バンガードファンド」を購入するのがおすすめである。
もちろん、米国株式を直接購入しても良い。「eMAXIS Slim米国株式+好みの中型もしくは小型株」という組み合わせもありだ。eMAXIS Slim米国株式で大型株を網羅し、中型もしくは小型株は好きな銘柄を集中的に買っても良いだろう。
中型・小型の個別株を買うのが面倒だったり、選定をプロに任せたいな人なら「楽天バンガードファンド」でまとめるべきだ。
ETFと投資信託どちらを買うべきか?
楽天バンガードファンドの投資先である「VTI」は毎年4回分配金を配っている。これに対して、楽天バンガードファンドは分配金を配った実績がない。
2016年から2020年10月までのVTI1株あたり分配金実績をまとめると下記のようになる。
2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | |
---|---|---|---|---|---|
VTI(バンガードトータルストックマーケットETF) | 2.215ドル | 2.343ドル | 2.6046ドル | 2.9047ドル | 1.9876ドル |
1年間の総計。2020年は10月(3回分)までの総計になる。ちなみに、VTIの2020年11月現在の価格は1株184.73ドル(約1万9309円)になる。分配金の年利回りは1%から2%の間になる。
現在、楽天バンガードファンドは投資先であるETFから得た分配金を、eMAXIS Slim米国株式は投資先である米国株式から得た配当金を再投資に回している。分配金、配当金は投資信託の価格に上乗せされるため、含み益が出ても売却するまで課税されない。しかし、VTIや米国株式の元本で含み損が生じてる場合でも、分配金や配当金を受け取れば税金が課せられてしまう。分配金、配当金に課税され、さらには売却で損するといったケースがVTIや米国株式の保有では生じてしまうのだ。
不労所得に憧れている人には分配金や配当金を得る目的で投資をする人もいるだろう。しかし、分配金や配当金は現金として受け取らず、再投資に回してくれた方がメリットは大きい。
楽天証券における手数料と還元
楽天バンガードファンドを楽天証券、バンガード トータル ストック マーケットETF(VTI)をSBI証券で購入・保有した場合で手数料と還元をまとめて比較すると下記のようになる。
楽天バンガードファンド (楽天証券で購入・保有) | VTI(バンガード トータル ストック マーケットETF) (SBI証券で購入・保有) | |
---|---|---|
取引手数料 | 0(無料) | 0.495%(税込)、上限手数料は税込22ドル(税込)(NISA口座では買付手数料のみ0) |
為替コスト | 0(無料。円建て) | 1ドルあたり0.25円から(住信SBIネット銀行なら0.04円から) |
信託報酬 (総経費率) | 年0.162%(税込) | 年0.03% |
信託財産留保額 (解約手数料、売却手数料) | 0(無料) | 0.495%(税込)、上限手数料は税込22ドル(税込)(NISA口座でも解約(売却)時は手数料がかかる) |
購入で受けれる還元 | 月5万円まで楽天カード決済により1%還元 | 無し |
保有で受けれる還元 | 年率0.048% (投資信託の残高10万円ごとに毎月4ポイント) | 無し |
2020年11月現在
楽天証券で楽天バンガードファンドを保有すると年率0.048%の還元を楽天ポイントで受け取れる。この還元分を引くと、楽天バンガードファンドの実質的な信託報酬は0.114%になる。
また、楽天証券では毎月5万円まで投資信託を楽天カードで購入できる。この楽天カードによる購入では1%の還元を受けれるため、5万円分の投資信託を購入すると、毎月500ポイントの還元を受けられる。つまり、年間で最大6000ポイントをもらえるため、手数料よりも還元されるポイントの方を大きくできる。
VTIは保有でかかる総経費率が0.03%と安い。しかし、楽天証券では投資信託の購入と保有による還元を受けれるため、実質楽天バンガードファンドの方が金銭的な負担は少なくなるのだ。
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また、VTIでは売買時に生じる取引手数料、為替コストもネックになるだろう。
利益や分配金にかかる税金については楽天バンガードファンドもVTIもNISA口座で非課税にできる。
NISA口座の利用
投資信託である楽天バンガードファンドはもちろん、ドル建て米国ETFであるVTIもNISA口座で購入できる。利益や分配金に課税される税額は、所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%の合計20.315%なので、手数料よりも高くなるだろう。
楽天バンガードファンドは投資信託なので、(一般)NISA、つみたてNISA口座で購入できる。つみたてNISA口座は毎年40万円まで20年間、最大800万円まで非課税になる。楽天証券のNISA口座でも、投資信託の購入・保有による還元は受けれる。
VTIは外国株式に分類され、(一般)NISA口座にて購入ができる。つみたてNISA口座ではVTIの購入ができない。NISA口座は毎年120万円まで5年間、最大600万円まで非課税となる。NISA口座ではVTIで配られている分配金も非課税となる。
楽天証券のつみたてNISAなら、20年間という長期で非課税額も大きくなる。楽天バンガードファンド(投資信託)の方が多くのケースで有利になるだろう。
米ドルの買い付けといった手続きも必要ないため、投資初心者にも米国ETFのVTIより投資信託の楽天バンガードファンドの方がおすすめである。
eMAXIS Slim米国株式と同様に、S&P500との連動を目指す日本の投資信託として「SBIバンガードS&P500」も人気である。SBIバンガードS&P500とeMAXIS Slim米国株式はパフォーマンスもほとんど変わらない。ただ、SBIバンガードS&P500は楽天証券で購入できない(2020年11月現在)。楽天証券では投資信託の購入と保有により信託報酬以上の還元も受けれるため、この2つで迷ったら、楽天証券で「eMAXIS Slim米国株式」を購入すべきだ。
>>> 【投資信託の購入と保有で還元を受けれる】楽天証券口座開設キャンペーンページ
投資信託の運用が中心なら楽天証券にて「つみたてNISA」の口座も一緒に申し込んでおこう。
SBIバンガードS&P500とeMAXIS Slim米国株式について詳しく知りたい人は下記記事を参考に。
