SBI・V・S&P500とeMAXIS Slim米国株式のどちらを、どの証券会社で買うべきか?

楽天証券

 

「SBI・V・S&P500」を購入するならSBI証券、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」を購入するなら楽天証券を利用すべきだ。なぜなら、SBI証券で買えるS&P500との連動を目指す投資信託の中では「SBI・V・S&P500」がもっとも手数料が安く、楽天証券で買えるS&P500との連動を目指す投資信託の中では「eMAXIS Slim米国株式」がもっとも手数料が安く、SBI証券および楽天証券は投資信託の購入および保有で還元を受けれるからである。

SBI証券と楽天証券の両方に口座を持っている人は年会費が有料の三井住友のゴールドカードもしくはプラチナカードを持っているかどうかで「SBI・V・S&P500」もしくは「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」のどちらを購入すべきか決めれば良い。三井住友のゴールドカードもしくはプラチナカードを持っているならSBI証券で「SBI・V・S&P500」、三井住友のゴールドカードもしくはプラチナカードを持っていないなら楽天証券で「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」を購入するのがおすすめである。

 

SBI・V・S&P500(旧:SBIバンガードS&P500)」はS&P500との連動を目指す米国ETF(上場投資信託)へ投資する投資信託であり、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」はS&P500インデックスに採用されている米国株式へ投資する投資信託になる。いずれもS&P500との連動を目指す投資信託であり、パフォーマンスはほとんど変わらない。

 

「SBI・V・S&P500」と「eMAXIS Slim米国株式」をまとめて比較すると下記のようになる。

SBI・V・S&P500eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
委託会社名SBIアセットマネジメント三菱UFJ国際投信
分配金2020年まで実績無し2020年まで実績無し
買付単位100円以上1円単位で購入できる100円以上1円単位で購入できる
投資先米国株式市場の大型株へVOOを通して投資し、S&P500との連動を目指す米国株式市場の大型株へ投資し、S&P500との連動を目指す
保有でかかる手数料(信託報酬など)年0.0938%程度(税込)年0.0968%程度(税込)
購入手数料・解約手数料0(無料)0(無料)
為替コスト0(円建て)0(円建て)
利益・配当にかかる税金20.315%(NISA口座なら非課税)20.315%(NISA口座なら非課税)

2021年11月現在

 

SBI・V・S&P500とeMAXIS Slim米国株式の主な違いは「保有でかかる手数料(信託報酬など)」と「買える証券会社」である。

保有でかかる手数料はSBI・V・S&P500の方が0.003%ほど安くなっている。

購入できる証券会社としてeMAXIS Slim米国株式はSBI証券や楽天証券を含め、様々な証券会社で購入できる。しかし、SBI・V・S&P500はSBI証券やマネックス証券、岡三オンライン証券など6つの金融機関でしか買えない(2021年11月現在。SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド月次レポートより)。

 

この記事ではS&P500との連動を目指す「SBI・V・S&P500」と「eMAXIS Slim米国株式」のどちらを、どの証券会社で買うべきか?迷った人への回答として

▶ S&P500との連動を目指す投資信託の「購入」と「保有」をSBI証券と楽天証券で比較
▶ 「SBI・V・S&P500」と「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の投資先

から

▶ eMAXIS Slim米国株式(投資信託)とVOO(バンガードS&P500 ETF)の比較

まで詳しく紹介していきたいと思う。

 

S&P500との連動を目指す投資信託の「購入」と「保有」をSBI証券と楽天証券で比較

投資信託の購入と保有をSBI証券と楽天証券で比較

 

2021年11月現在、SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(愛称:SBI・V・S&P500)が購入できる金融機関は

・SBI証券
・岡三オンライン証券
・佐賀銀行
・マネックス証券
・auカブコム証券
・SMBC日興証券

に限られている(SBI・V・S&P500インデックス・ファンド 月次レポートより)。現状、楽天証券ではSBI・V・S&P500を購入できない。

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)はSBI証券や楽天証券をはじめ、20社で購入できる(eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)月次レポートより )。

 

SBI・V・S&P500をSBI証券で、eMAXIS Slim米国株式を楽天証券で購入、保有した場合に生じる違いについてまとめると下記のようになる。

SBI・V・S&P500
(SBI証券)
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
(楽天証券)
保有でかかる手数料(信託報酬など)年0.0938%(税込)年0.0968%(税込)
購入による還元月5万円まで三井住友カード決済により0.5%から2%還元月5万円まで楽天カード決済により1%還元
保有による還元年率0.0242%年率0.048%
(投資信託の残高10万円ごとに毎月4ポイント)

2021年11月現在(search.sbisec.co.jprakuten-sec.co.jpより)

 

購入手数料・解約手数料など売買ではいずれも手数料がかからない。保有でかかる手数料は主に信託報酬になる。信託報酬は1年間でかかる手数料の合計で、毎日計上されている。

SBI証券で「SBI・V・S&P500」を保有すると、年0.0938%程度の手数料がかかる。たとえば、平均100万円分保有すると、年938円程度を手数料として取られる。ただ、SBI証券では投資信託保有によるPontaポイントもしくはTポイントの還元も受けられる(年率0.0242%)。毎月20ポイント、年間240ポイント程度の還元を受けれる。1000万円だと年間2420ポイント程度の還元になる。したがって、平均100万円分の「SBI・V・S&P500」をSBI証券で保有すると、年938円程度の手数料と240ポイント程度の還元を受けられる。

楽天証券では「SBI・V・S&P500」を購入できない(2021年11月現在)。S&P500との連動を目指す投資信託の中で「SBI・V・S&P500」の次に保有でかかる手数料が安いのは「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」である。

S&P500に連動する投資信託を安いコストでお得に買う方法
S&P500に連動する日本の投資信託を信託報酬の低い順にまとめて紹介すると下記のようになる。信託報酬など(税込)購入時手数料(税込)純資産分配金つみたてNISA運用会社(参照元)SBI・V・S&P500(旧:SBIバンガードS&P500)0...

「eMAXIS Slim米国株式」を保有すると年0.0968%程度の手数料がかかる。平均100万円分保有すると、年968円程度を手数料として取られる。ただ、楽天証券では投資信託保有による楽天ポイントの還元も受けられる(年率0.048%)。したがって、平均100万円分の「eMAXIS Slim米国株式」を楽天証券で保有すると、年968円程度の手数料と480ポイントの還元を受けられる。

 

また、SBI証券では毎月5万円まで投資信託を三井住友カードで購入できる。この三井住友カードによる購入では0.5%から2%の還元を受けれる(2021年12月10日までは+1%で最大3%になっている)。

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還元されるポイントは2%還元で最大1000円相当のポイントとなる。つまり、毎月1000円、1年で最大1万2000円相当のポイントが還元される。

楽天証券でも毎月5万円まで投資信託を楽天カードで購入できる。この楽天カードによる購入では1%の還元を受けれるため、5万円分の投資信託を購入すると、毎月500ポイント、1年6000円相当の還元を受けられる。

 

下記の場合の手数料と還元をまとめると下記のようになる。

①SBI証券で毎月5万円分の「SBI・V・S&P500」を三井住友カードで購入し、1年平均100万円分を保有
②楽天証券で毎月5万円分の「eMAXIS Slim米国株式」を楽天カードで購入し、1年平均100万円分を保有

①SBI・V・S&P500
(SBI証券)
②eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
(楽天証券)
購入手数料・解約手数料(売買手数料)0(無料)0(無料)
保有でかかる手数料(1年平均100万円分を保有した場合)年938円程度年968円程度
購入による還元(毎月5万円分購入した場合)三井住友カード(0.5%還元):250ポイント(年3000ポイント)
三井住友カード ゴールド(1%還元):500ポイント(年6000ポイント)
三井住友カード プラチナ(2%還元):1000ポイント(年1万2000ポイント)
毎月500ポイント(年6000ポイント)
保有による還元(平均100万円分を保有した場合)年200ポイント年480ポイント

2021年11月現在

 

手数料938円程度+3200ポイントから1万2200ポイントの還元
手数料968円程度+6480ポイントの還元

SBI証券で還元されるポイントはPontaポイントもしくはTポイント。楽天証券で還元されるポイントは楽天ポイントになる。これらのポイントでは株式の購入もでき、1ポイント=1円以上の価値はあるため、これら条件で購入、保有すると、還元が保有でかかる手数料よりも高くなる。上でも記載しているように、SBI証券では938円の手数料を払う一方で、3240ポイントから1万2240ポイントの還元を受けられるからだ。

 

ちなみに、楽天証券では年会費無料の楽天カードによる購入でも1%の還元を受けれる。しかし、三井住友カードで1%以上の還元を受けるにはゴールドカードもしくはプラチナカードにしなければならない。投資信託の購入で1%の還元を得られる「三井住友カード ゴールド」でも年会費は年1万1000円(税込)なので、「SBI証券で1%以上の還元を受けるために」三井住友のゴールドカードもしくはプラチナカードを作成するのはおすすめできない。上でも紹介したように、三井住友カードでも月5万円分までの投資信託しか購入できず、これで受けられる還元もプラチナカードの2%で月1000円(年間1万2000円)にしかならないからだ。年会費以下の還元しか受けれないのである。

ただし、「三井住友カード ゴールド」で年間100万円以上利用すれば年会費は無料になり、1万ポイント分の還元も別途追加で受けれる。ほかにも特典を利用する人なら損にはならない。そういう人はSBI証券で「SBI・V・S&P500」を購入した方が良いだろう。三井住友のゴールドカードもしくはプラチナカードに年会費分を払うメリットがない人なら楽天証券で「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」を購入するのがおすすめである。

 

S&P500に連動する投資信託に限らず、投資信託を購入するなら迷わずSBI証券もしくは楽天証券を選ぶべきだ。

>>> 【楽天ポイントで株式と投資信託が買える!】楽天証券の無料口座座開設リンク

 

また、投資信託の購入前に、利用できるクレジットカードも申し込んでおこう。

>>> 【楽天証券で投資信託が買える!】新規入会で大量の楽天ポイントがもらえる楽天カード入会ページ

 

まだSBI証券の口座や三井住友カードを持っていない人は下記ポイントサイト経由で申し込みをすべきだ。追加でポイントをもらえるためポイントサイトを経由しなければ損である。

ポイントサイト経由でSBI証券を開設すると
2021年11月現在、ポイントサイトを経由してSBI証券口座を開設した場合、追加で8000ポイント(=8000円)をもらえる。

 

ポイントサイト経由でもらえるキャッシュバック

ポイントサイト経由でもらえるキャッシュバック
2021年11月現在、年会費無料の三井住友カードをポイントサイト経由で申し込んだ場合、追加で2300ポイント(=2300円)をもらえる。三井住友カード ゴールドなら6000ポイント(=6000円)。ポイントサイトでもらえるポイントのほかにも、三井住友カードでは還元を受けれる。

現在、SBI証券でSBI・V・S&P500の購入に使えるクレジットカードは「三井住友カード」のみとなっている。

 

ポイントサイトへ登録後、それぞれ「SBI証券」「三井住友カード」で検索すれば申し込みリンクが表示される。

>>> 「SBI証券の口座開設」や「三井住友カードの申し込み」で現金還元を受けれるポイントサイトへのリンク

もちろん、ポイントサイトへの登録は無料である。

 

「SBI・V・S&P500」と「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の投資先とパフォーマンス

SBIバンガードS&P500とeMAXIS Slim米国株式の投資先とパフォーマンス

 

「SBI・V・S&P500」はS&P500指数のパフォーマンスへの連動を目指す投資信託である。この投資信託は米国ETFである「VOO(バンガードS&P500 ETF)」を投資対象としている。

「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は「S&P500インデックスマザーファンド」への投資を通じて、米国株式に投資している。

 

SBI・V・S&P500とeMAXIS Slim米国株式の資金が最終的に向かう米国株式について、いずれもS&P500に採用されている大型株になる。

純資産総額に占める割合が多い順に紹介すると下記のようになる。

SBI・V・S&P500eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
アップル 6.23%アップル 6.1%
マイクロソフト 5.95%マイクロソフト 5.8%
アルファベット 4.45%アルファベット(A株+C株) 4.3%
アマゾン 3.89%アマゾン 3.7%
フェイスブック 2.38%フェイスブック 2.3%
テスラ 1.48%エヌビディア 1.4%
エヌビディア 1.46%テスラ 1.4%
バークシャー・ハサウェイ 1.41%バークシャー・ハサウェイ 1.4%
JPモルガン 1.27%JPモルガン 1.2%
10ジョンソンアンドジョンソン 1.19%

2021年8月31日基準(doc.wam.abic.co.jpemaxis.jpより)。いずれも上位10銘柄まで開示しているが、eMAXIS Slim米国株式はアルファベット(旧Google社)株をA株とC株に分けて記載しているため、9社となっている。A株(クラスA株)は株主総会における議決権ありの普通株式であり、C株(クラスC株)は議決権がない。C株は配当や売却益を得る目的で購入される。

上記のように、上位保有銘柄、保有割合についてはほとんど違いがない。日本でも有名な米国企業が多いだろう。

 

SBI・V・S&P500とeMAXIS Slim米国株式(S&P500)のパフォーマンス

eMAXIS Slim米国株式の設定日が2018年7月3日、SBI・V・S&P500の設定日が2019年9月26日といずれも運用が始まってから2、3年の新しい投資信託になっている。投資先の銘柄、保有割合にもほとんど差がないため、似たような形のチャートになっている。

 

SBI・V・S&P500の1年間チャート
SBI・V・S&P500の1年間チャート(2021年11月現在。site0.sbisec.co.jpより)

 

eMAXIS Slim米国株式の1年間チャート
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の1年間チャート(2021年11月現在。site0.sbisec.co.jpより)

 

期間別基準価額騰落率もほとんど差がない。

SBI・V・S&P500eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
前日比+1.61%+1.72%
1週間-0.25%-0.15%
1ヶ月-2.60%-2.54%
3ヶ月+0.77%+0.81%
6ヶ月+8.42%+8.46%
1年+36.14%+36.37%

期間別基準価額騰落率(2021年11月基準。site0.sbisec.co.jpsite0.sbisec.co.jpより)

 

SBI・V・S&P500のようにETF(VOO)を通して間接的に株式へ投資するか、eMAXIS Slim米国株式のように直接株式へ投資するかで若干の違いが生じているのみである。

 

SBI・V・S&P500(投資信託)とVOO(バンガードS&P500 ETF)の比較

eMAXIS Slim米国株式(投資信託)とVOO(バンガードS&P500 ETF)の比較

 

日本の証券会社ではVOO(バンガードS&P500 ETF)も直接購入できる。VOOはSBI・V・S&P500の投資先であり、S&P500との連動を目指している。

SBI・V・S&P500(投資信託)とVOO(米国ETF)の基本的な違いをまとめると下記のようになる。

SBI・V・S&P500バンガードS&P500 ETF
(VOO)
商品の種類日本の投資信託米国ETF
(上場投資信託)
投資成果の目標米国株式市場の500銘柄(大型株、S&P500)へVOOを通して投資し、S&P500との連動を目指す米国株式市場の500銘柄(大型株、S&P500)へ投資し、S&P500との連動を目指す
最低購入額100円から1円単位で購入できる1口単位で購入できる。2021年11月現在は1口399.81ドル
通貨日本円(円建て)米ドル(ドル建て)
分配金実績無し2020年まで毎年4回配られている

 

投資信託のSBI・V・S&P500は日本円で購入できるため、為替コストはかからない。ただし、元がドル建ての米国株なので、為替レートによっても日本円での評価額は変わる。たとえば、円安・ドル高になると、投資先米国株式の価格が上がらなくても日本円での評価額は上がる(逆に円高になると評価額は下がる)。

 

また、投資信託のSBI・V・S&P500は100円以上1円単位で購入できる。VOOは1口単位での購入になる(2021年11月現在の価格は1口399.81ドル=約4万4552円)。

くわえて、SBI・V・S&P500は購入・売却に手数料もかからないため、毎日100円ずつ、手数料を取られずに購入できる。少額で頻繁に売買できる点も投資信託のメリットになる。

 

下記ではSBI・V・S&P500とVOOにおける

1.分配金
2.手数料と還元
3.NISA口座の利用

についてさらに詳しく紹介していく。

 

分配金について

VOOは毎年4回分配金を配っている。2016年から2020年までのVOO1口あたり分配金実績をまとめると下記のようになる。

2016年2017年2018年2019年2020年
VOO(バンガードS&P500 ETF)4.138ドル4.3679ドル4.7367ドル5.5709ドル5.3027ドル

それぞれ2016年から2020年まで年4回分の合計金額になる。VOOの2021年11月現在の価格は1口399.81ドル。分配金の利回りは毎年1%から2%の間だった。

 

VOOに対し、SBI・V・S&P500は分配金を配った実績がない。現在、SBI・V・S&P500は投資先であるVOOから得た配当を再投資に回している。

不労所得に憧れている人には分配金を得る目的で投資をする人もいるだろう。しかし、分配金は受け取るよりも再投資した方がメリットは大きい。なぜなら、再投資した場合、分配金は投資信託の価格に上乗せされるため、含み益が出ても売却するまで課税されないからだ。

VOOを購入すると、元本で含み損が生じてる場合でも分配金には税金が課せられてしまう。つまり、分配金に課税され、さらには売却で損するといったケースが米国ETFでは生じうるのだ。

 

また、SBI・V・S&P500やeMAXIS Slim米国株式だけでなく、多くの投資信託は購入手数料・解約(売却)手数料が無料になっている。くわえて、投資信託の多くは100円以上1円単位での売却もできる。つまり、100円ずつ、手数料を取られずに売却もできる。米国ETFのような分配金を投資信託で受け取りたいなら、欲しい分だけ売却すれば分配金の代用ができるのだ。含み益の金額だけ売却し、分配金代わりにしても良いだろう。

購入・売却での手数料がないため少額で頻繁に売買できる点も投資信託のメリットになる。分配金の有無で投資先を決める必要はない。

 

SBI証券における手数料と還元

SBI・V・S&P500およびVOO(バンガードS&P500 ETF)をSBI証券で購入・保有した場合で手数料と還元をまとめて比較すると下記のようになる。

SBI・V・S&P500
(SBI証券で購入・保有)
VOO(バンガードS&P500 ETF)
(SBI証券で購入・保有)
買付手数料0(無料)0(SBI証券では無料)
信託財産留保額
(解約手数料、売却手数料)
0(無料)0.495%(税込)、上限手数料は税込22ドル(税込)
為替コスト0(無料。円建て)1ドルあたり0.25円から(住信SBIネット銀行なら0.04円から)
保有でかかる手数料(信託報酬など)年0.0938%程度(税込)年0.03%程度(税込)
購入で受けれる還元月5万円まで三井住友カード決済により0.5%から2%還元無し
保有で受けれる還元年率0.02%無し

2021年11月現在

 

VOOと比較した「SBI・V・S&P500の優れた点」としては取引手数料、為替コストが無料の点が上げられる。また、SBI・V・S&P500は100円以上1円単位でも売買できるため、少額で頻繁に取引したい人にもおすすめである。

くわえて、SBI証券でSBI・V・S&P500を「購入」「保有」すると還元も得られる。

SBI証券でSBI・V・S&P500を保有すると年率0.0242%の還元をPontaポイントもしくはTポイントで受け取れる。この還元分を引くと、SBI・V・S&P500の実質的な信託報酬は0.0696%になる。

SBI証券では毎月5万円まで投資信託を三井住友カードで購入できる。この三井住友カードによる購入では0.5%から2%還元の還元を受けれるため、5万円分の投資信託を購入すると、毎月250ポイントから1000ポイントの還元を受けられる。つまり、年間で最大3000ポイントから1万2000ポイントをもらえるため、購入額によってはSBI・V・S&P500でかかる手数料よりも還元されるポイントの方が大きくなる。

 

SBI・V・S&P500と比較した「VOOの優れた点」としては保有でかかる手数料(経費率)が安い点が上げられる。

また、SBI証券ではVOOの買付時にかかる手数料(買付手数料)が無料になっている。ただし、SBI・V・S&P500とは違い売却時に手数料がかかる。米国ETFの売却手数料はSBI証券で0.495%(税込)。約定代金が4444.45ドル以上の場合は一律22ドル(税込)の手数料になる。したがって、取引金額が4444.45ドル(約49万円)よりも高くなればなるほど、手数料の割合は低くなる。

 

SBI証券ではSBI・V・S&P500の購入と保有による還元を受けれる。VOOでは購入と保有による還元がない。しかし、保有でかかる手数料はVOOの方が0.03%と安い。

こうした特徴を踏まえると、少額で頻繁に取引をしたい人には「SBI・V・S&P500」、一度の取引金額が大きく、取引回数が少ない人(長期で保有したい人)には「VOO」がおすすめと言える。

保有金額はNISA枠を目安にしても良いだろう。たとえば、NISA枠内(年120万円以内)ではSBI・V・S&P500を購入し、NISA枠を越えた分はVOOを購入するのも悪くないだろう。

 

繰り返すが、SBI証券でSBI・V・S&P500を購入するなら現金ではなく、三井住友カードによるカード決済にすべきだ。

まだSBI証券の口座や三井住友カードを持っていない人は下記ポイントサイト経由で申し込みをしよう。追加でポイントをもらえるためポイントサイトを経由しなければ損である。

ポイントサイト経由でSBI証券を開設すると
2021年11月現在、ポイントサイトを経由してSBI証券口座を開設した場合、追加で8000ポイント(=8000円)をもらえる。

 

ポイントサイト経由でもらえるキャッシュバック

ポイントサイト経由でもらえるキャッシュバック
2021年11月現在、年会費無料の三井住友カードをポイントサイト経由で申し込んだ場合、追加で2300ポイント(=2300円)をもらえる。三井住友カード ゴールドなら6000ポイント(=6000円)。ポイントサイトでもらえるポイントのほかにも、三井住友カードでは還元を受けれる。

現在、SBI証券でSBI・V・S&P500の購入に使えるクレジットカードは「三井住友カード」のみとなっている。

 

ポイントサイトへ登録後、それぞれ「SBI証券」「三井住友カード」で検索すれば申し込みリンクが表示される。

>>> 「SBI証券の口座開設」や「三井住友カードの申し込み」で現金還元を受けれるポイントサイトへのリンク

もちろん、ポイントサイトへの登録は無料である。

 

利益にかかる税金についてはSBI・V・S&P500もVOOもNISA口座で非課税にできる。

 

NISA口座の利用

投資信託であるSBI・V・S&P500はもちろん、ドル建て米国ETFであるVOOもNISA口座で購入できる。

SBI・V・S&P500は投資信託なので、(一般)NISA、つみたてNISA口座で購入できる。つみたてNISA口座は毎年40万円まで20年間、最大800万円まで非課税になる。もちろん、NISA口座でも、三井住友カードを利用した投資信託の購入・保有による還元は受けれる。

VOOは外国株式に分類され、(一般)NISA口座にて購入ができる(つみたてNISA口座ではVOOの購入ができない)。NISA口座は毎年120万円まで5年間、最大600万円まで非課税となる。NISA口座で購入すればVOOで配られている分配金も非課税となる。

 

利益や分配金に課税される税額は、所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%の合計20.315%なので手数料よりも高くなるだろう。つみたてNISAなら、20年間という長期で非課税額も大きくなる。

米ドルの買い付けといった手続きも必要ないため、少額の投資から始めたい投資初心者には投資信託のSBI・V・S&P500をSBI証券のつみたてNISA口座で購入するのがおすすめである。

 

この記事で比較した「SBI・V・S&P500」と「eMAXIS Slim米国株式」はいずれもS&P500に採用されている米国大型株へ最終的に投資している。大型株だけでなく、NYダウやS&P500に「含まれない」中型株、小型株まで含み、米国株式時価総額の約100%をカバーしているETFとしてVTI(バンガードトータルストックマーケットETF)がある。VTIの純資産総額は世界で第3位となっており、世界で人気の米国ETFである。

VTIへ投資する日本の投資信託として「SBI・V・全米株式」「楽天バンガードファンド」がある。「SBI・V・全米株式」と「楽天バンガードファンド」を比較したい人は下記記事を参考に。

「SBI・V・全米株式」と「楽天バンガードファンド」を比較!どちらをどの証券会社で購入すべきか?
「SBI・V・全米株式」を購入するならSBI証券、「楽天・バンガード・ファンド」を購入するなら楽天証券を利用すべきだ。なぜなら、VTIへ(間接的に)投資している日本の投資信託の中で、SBI証券では「SBI・V・全米株式」がもっとも手数料が安...
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