S&P500に連動する日本の投資信託で分配金の実績があるのは2021年2月現在、「米国株式 S&P500 インデックスファンド(農林中金全共連アセットマネジメント)」のみである。「米国株式 S&P500 インデックスファンド」は2020年3月16日に1万口(基準価格)あたり25円の分配金を配った実績がある。設定日が2019年3月4日であり、分配金は毎年1回のペースになっている。
「米国株式 S&P500インデックスファンド」は分配金がもらえる唯一の日本の投資信託として購入を検討している人も多いだろう。しかし、
1.信託報酬(手数料)がS&P500に連動するほかの投資信託に比べ安くない(年0.605%)
2.購入時手数料がかかる(約低代金の1.65%)
3.つみたてNISA口座で買えない
4.楽天証券で買えない(JAバンク口座でのみ購入できる)
以上の点でおすすめできない。
S&P500に連動する投資信託なら手数料および還元、税金を考え、楽天証券で「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」を購入すべきだ。
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この記事では
▶ 「米国株式 S&P500インデックスファンド」でかかる手数料
▶ 投資信託は楽天証券で買うべき理由
から
▶ 分配金を「投資信託の売却」と「楽天証券における保有」で作り出す方法
まで「米国株式 S&P500インデックスファンド」をおすすめできない理由とともに詳しく述べていきたいと思う。
「米国株式 S&P500インデックスファンド」でかかる手数料
「米国株式 S&P500インデックスファンド」では信託報酬年0.605%(税込)に加えて、購入時手数料が約定代金の1.65%(税込)かかる(ja-asset.co.jpより。2021年2月現在)。
信託報酬は1年間でかかる手数料の合計で、投資信託を保有すると毎日計上される。たとえば、「米国株式 S&P500インデックスファンド」を1年間平均100万円分保有すると年0.605%、 つまり6050円の手数料がかかる。S&P500に連動する投資信託でもっとも信託報酬の安い投資信託は「SBIバンガードS&P500」であり、年0.0938%(税込)になっている(2021年2月現在)。つまり、SBIバンガードS&P500なら1年間平均100万円分保有しても、 938円の手数料しかかからない。
また、「米国株式 S&P500インデックスファンド」では購入時手数料が約定代金の1.65%(税込)かかる。これは100万円分購入すると、1万6500円かかる計算となる。S&P500に連動する日本の投資信託で購入時手数料がかかるのは「米国株式 S&P500インデックスファンド」のみである。他の投資信託では購入時手数料がかからない。この購入時手数料の負担も大きいだろう。
S&P500に連動する日本の投資信託を信託報酬の低い順にまとめて紹介すると下記のようになる。
信託報酬(税込) | 購入時手数料(税込) | 運用会社(参照元) | |
---|---|---|---|
SBI バンガード S&P500インデックス ファンド (SBIバンガードS&P500) | 0.0938% | 0(無し) | SBIアセットマネジメント |
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 0.0968% | 0(無し) | 三菱UFJ国際投信 |
つみたて米国株式(S&P500) | 0.22% | 0(無し) | 三菱UFJ国際投信 |
Smart-i S&P500インデックス | 0.242% | 0(無し) | りそなアセットマネジメント |
iFree S&P500 インデックス | 0.2475% | 0(無し) | 大和アセットマネジメント |
NZAM ベータ S&P500 | 0.264% | 0(無し) | 農林中金全共連アセットマネジメント |
iシェアーズ 米国株式 インデックス ファンド | 0.4125% | 0(無し) | ブラックロック ジャパン |
米国株式インデックス ファンド | 0.495% | 0(無し) | ステート ストリート グローバル アドバイザーズ |
つみたてNISA米国株式 S&P500 | 0.495% | 0(無し) | 農林中金全共連アセットマネジメント |
米国株式 S&P500 インデックスファンド | 0.605% | 1.65% | 農林中金全共連アセットマネジメント |
iFreeレバレッジ S&P500 | 0.99% | 0(無し) | 大和アセットマネジメント |
2021年2月現在の数字
S&P500に連動する投資信託には「SBIバンガードS&P500」や「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」といった信託報酬が0.1%以下のものもある。同じS&P500に連動する投資信託ならパフォーマンスにもそこまで違いはない。S&P500に連動する日本の投資信託についてまとめて比較し、お得に購入したい人は下記記事を参考に。

手数料の点で見ても「米国株式 S&P500インデックスファンド」はおすすめできない。
投資信託は楽天証券で買うべき理由
「米国株式 S&P500インデックスファンド」はJAバンクでしか購入できない。また、JAバンクのつみたてNISA口座では「米国株式 S&P500インデックスファンド」を購入できない(2021年2月現在)。「米国株式 S&P500インデックスファンド」を購入するためにJAバンク口座が必要であり、かつ利益や配当金には20.315%の税金がかかってしまう。投資信託の売却や分配金で100万円の利益が出たら20万0315円が税金として引かれてしまうのだ。
つみたてNISAで購入できる投資信託なら、毎年40万円まで最大20年間投資でき、売却や分配金へかかる税金は0(ゼロ)になっている。投資信託を購入するならNISA枠から消費しないと損だろう。
くわえて、楽天証券では投資信託の購入および保有で還元を受けられる。
投資信託を楽天証券で買うと受けられる還元
S&P500に連動する投資信託でも「SBIバンガードS&P500」や「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は特に手数料が安い。ただ、楽天証券では「SBIバンガードS&P500」を購入できない(2021年2月現在)。
「SBIバンガードS&P500」の次に信託報酬の安い「eMAXIS Slim米国株式」は保有すると年0.0968%の信託報酬がかかる。平均100万円分保有すると、年968円を手数料として取られる(購入時手数料はかからない)。
しかし、楽天証券では投資信託保有による楽天ポイントの還元を受けられる(年率0.048%)。したがって、平均100万円分の「eMAXIS Slim米国株式」を楽天証券で保有すると、年968円の手数料と楽天ポイント480ポイントの還元を受けられる。実質的な手数料は0.0488%まで抑えられる。
また、楽天証券では毎月5万円まで投資信託を楽天カードで購入できる。この楽天カードによる購入では1%の還元を受けれるため、5万円分の投資信託を購入すると、毎月500ポイントの還元を受けられる。つまり、「eMAXIS Slim米国株式」の信託報酬10.33年分の還元を受けれる。購入当初は手数料よりも還元される額の方が大きくなるのだ。
S&P500に連動する投資信託に限らず、投資信託を購入するなら迷わず楽天証券を選ぶべきだ。
>>> 【楽天ポイントで株式と投資信託が買える!】楽天証券口座開設ページ
楽天証券における投資信託の購入および保有による還元についてさらに詳しく知りたい人は下記記事を参考に。

ちなみに、楽天証券のつみたてNISA口座で投資信託を購入・保有しても楽天ポイントの還元は受けれる。
分配金を「投資信託の売却」と「楽天証券における保有」で作り出す方法
S&P500に連動する投資信託に限らず、多くの投資信託は分配金再投資専用、つまり、投資先の米国株式や米国ETFから得た配当、分配金は再投資に回している。投資信託の価格に上乗せされる形で含み益に貢献している。
投資信託の分配金は「投資信託の売却」と「楽天証券における保有」で作り出せる。理由は
1.多くの投資信託は購入時、解約手数料が無料
2.投資信託の保有で還元を受けれる
からである。ほかよりも高い手数料を払う必要はない。下記で詳しく説明していく。
1.多くの投資信託は購入時、解約手数料が無料
分配金再投資専用の投資信託は分配金を出せずに投資信託の価格に上乗せされるため、含み益が出ても売却するまで個人には課税されない。含み損が出てるのに分配金を受け取ると、損しているのに税金を払うはめになる。税金は利益や分配金の20.315%にも及ぶ。税金を考えれば分配金の無い投資信託の方がおすすめなのだ。
分配金再投資専用の投資信託でも、売却すれば実質的に分配金を作り出せる。「米国株式 S&P500 インデックスファンド(農林中金全共連アセットマネジメント)」以外のS&P500に連動する投資信託は取引手数料(購入時、解約手数料)もかからない。金額も100円から1円単位で売却できる。
評価益分以下の売却を続ければ、現金が得られるとともに元本を減らすことなく運用を続けられるのだ。
2.投資信託の保有による還元
楽天証券では投資信託の残高10万円ごとに毎月4ポイント(年率0.048%)をもらえる。楽天ポイントは現金化および現金以上の価値へと変えられる。

この楽天証券における保有で得られる還元も実質的な分配金になるだろう。
また、楽天証券では楽天カードによる購入で1%還元を受けれる。この購入時に還元を受けれる点でもほかの証券会社より優れている。2021年2月現在、SBI証券やマネックス証券では保有による還元のみであり、購入による還元はない。
投資信託購入時の還元 | 投資信託保有による還元 | |
---|---|---|
楽天証券 | 楽天カードで1%(月5万円まで) | 毎月10万円ごとに4ポイント (年率0.048%) |
SBI証券 | 無し | 年率0~0.2% (投資信託や金額によって異なる) |
マネックス証券 | 無し(マネックスカードで今後は導入?) | 年率0~0.08% (投資信託によって異なる) |
2021年2月現在、購入による還元があるのは楽天証券のみ。マネックス証券はアプラスが発行する「マネックスカード」を2021年春に発行され、投資信託の積立購入サービスに使えるようになる予定。
保有による還元でも、楽天証券の方が上である。SBI証券では投資信託の保有で最大0.2%還元を受けれる。しかし、還元率の高い投資信託は購入時手数料が有料だったり、人気のない投資信託しかない。「SBIバンガードS&P500」と「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」をSBI証券で保有して得られる還元は0.02%となっている(search.sbisec.co.jpより)。楽天証券はどの投資信託でもほぼ一律で年率0.048%の還元を受けられる。
楽天証券における投資信託の購入および保有による還元についてさらに詳しく知りたい人は下記記事を参考に。

つみたてNISA口座で購入するなら投資信託の分配金や売却による利益が最大20年間非課税となる。S&P500に連動する投資信託で分配金がほしい場合も、楽天証券のつみたてNISA口座で手数料の安い「eMAXIS Slim米国株式」を購入・保有し、利益が出たら投資信託の売却によって得ていくべきだ。
